小学生ら20人が殺傷された川崎市の事件に、農林水産省の元事務次官が長男を殺害した東京・練馬区の事件。ひきこもりとの関連性が指摘される事件がことし5月から先月にかけて相次ぐ中、同じような境遇の家族たちはどのような思いを抱いているのだろうか。豊子さんの息子は、高校時代に先生の暴力をきっかけに不登校になり、そのまま引きこもりの生活を送っています。
ことしで48歳。20代のころには一時、アルバイトをしたり、母親の勧めで精神科に通院したりした時期もありましたが、長続きはしませんでした。雨戸を閉めた2階の自室に閉じこもり、この1年半ほどの間は同じ家に暮らす豊子さんでさえ顔を見ていないと言います。「あの農水省の元次官の人、警察に連れて行かれる時、ちょっとほっとしたような顔をしていたでしょう。“ああ、やっとこれで終わった”と思っていたんだと思う。どこの(ひきこもりの)家でも、どちらかが死なないかぎり、旅路は続く。何かあったら、うちでも、ああいう間違いがないとも限らない」「(職に就いて)稼ぐことは期待していません。ただ、社会とつながっていてもらわないと。どういう形であれ、息子に向いた生きやすい場所があればよいのですが…。自分の家以外に、居場所を見つけてくれれば、それでよいです」人口およそ113万人の大分県内には、従来、ひきこもりの人たちが4000人ほどいると見られていましたが、実は、これは15歳から39歳までの若年層の数字。これ以外に、40歳から64歳までの中高年のひきこもりの人が推計でおよそ5200人いることが、国の調査結果に基づく試算で
県の担当者も取材に対し、中高年のひきこもりに関する相談の受け皿に十分になりきれていないと、現状を分析していました。「大分県では、青少年自立支援センターが“ひきこもり地域支援センター”を兼ねているが、中高年のひきこもりの相談をしてもよいですよという広報がまだ足りないのかなと感じています」。大分市で月に1度集まり、互いの近況を自由に話したり、悩みを相談し合ったりしています。取材に伺った日も、10数人が参加していました。 「夫が30代の息子に対し、夜中に階段を降りる足音がうるさいと、怒ったんです。“出てこい”“静かにせんか”と大声でどなって。息子は反応しなかったので、幸い、何事にもならなかったんですけど、こういう状態が続くと、けんかになるんじゃないか、何か悪いことが起こるんじゃないかと不安で」(60代の母親)参加した人たちは、どのような話にも静かに耳を傾け、悩みを受け止めていました。高齢の家族が多く、同じような境遇に長く悩み苦しんできた者どうしなので、共感して励まし合うことができると言います。「ここに来ると、自分の思いを話せるし、ほかの人の考えも聞けるので、すごく貴重な場です。入会して本当によかったと思います」(参加した高齢の家族)大分県によりますと、県内では現在、行政の後押しを受けて、不登校の子どもを持つ家族の会が14団体あるということです。ただ、中高年のひきこもりに関しては、ステップの会が唯一の家族会となっています。「中高年のひきこもりは、今やっと問題化されてきたばかりで、まだ行政の対応が全然追いついていない。どうすれば、もっと早い段階から支援に結びつけられるかが、今後の課題だと思います」
相次ぐ事件をきっかけに取材を始めた中高年のひきこもりの人がいる家族の声。その苦悩を聞くと、とても家族だけでは抱えきれない問題だと感じました。社会とのつながりを絶ち、ひきこもる人と日々向き合い続ける家族が、相談しやすい環境や支援の体制をどのように整えていくのか。関心が高まっている今こそ、積極的に議論し、一歩前に進むべき時ではないでしょうか。
ひきこもりは、脳や精神疾患の可能性があるので、直ぐに専門家に受診させましょう。
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