そしてそこでアイガーが築いたスティーブ・ジョブズとの深いつながりがなければ、次のマーベルの買収も、その次のルーカスの買収も実現しなかっただろう。次々にM&Aを成功させた中興の祖であるアイガーに再び舵をとってもらおうという選択肢は、この文脈でいえば理解できないこともない。配信のDisney+もあれば、スポーツ興行のESPNもある。地上波のABCも入れれば、立派な「メディア企業」であり、われわれがイメージするアニメ映画やディズニーランドなどのパーク事業というのは「一部のコンテンツ事業」に過ぎない。振り返ってみるとディズニーは実は意外なほど「晩成の会社」でもある。1923年に創業者ウォルト・ディズニーが20歳のときに兄ロイの助けも借りて“3社目”に起業したものが現在のディズニーの原型だが、そこから5度の破産の危機も乗り越え、ウォルトが亡くなる1966年になってようやく1億ドルの会社に成長。TV局のNBCや映画会社のパラマウントを渡り歩き、1985年にディズニー5代目CEOにヘッドハンティングされた彼は、保守的なライセンス事業から自社物販であるディズニーストアの展開、ビデオ販売の開始など新機軸
ここに、ディズニー不調の理由の一つがある。投資家からのプレッシャーを一身に受ける専門経営者にとって、大事なのは利益であり、株価だ。当たるかどうかわからない新しい作品に賭けるよりも、過去の成功作を踏襲する方が安全だ。その結果、おもしろい作品より儲かる作品に流れているのは否めない。ディズニーの根本は良質なオリジナル作品だ。それが軽視されてきてはいないだろうか。実はディズニーに似た企業が日本にもある。ソニーだ。業態が違うと思われるかもしれないが、会社の成長曲線、そして中身を分解してみると、この2社の現在の事業ポートフォリオは意外にも酷似している。 ソニーの売上高はこの40年で、9002億円(1980年)から11.5兆円(2022年)と10倍以上に成長している。その軌跡はディズニーと同じで、現在、2社はぴったりと並ぶようなサイズ感でそびえたっている。
ディズニーの約10兆円の売上高は世界各地のテーマパーク事業で2〜3割、コンシューマーグッズが約2割、映画制作で1割といったところ。売り上げの残り半分は、地上波ABCやスポーツケーブルのESPNといった流通・メディア事業が占めている。つまり、どちらも目玉となる「コンテンツ」部分は5兆円前後で、営業利益率の違いはあるものの、直近3年に限っていえばむしろソニーのほうが利益構造はしっかりしている。ディズニーのダイナミックな世代継承に比べると、ソニー側は基本的に社内昇格を中心としている。第5代の大賀典雄(1982〜95)までは「創業者時代」と言われ、井深・盛田から直接薫陶を受けた第一世代が仕切っていた。7代目ハワード・ストリンガー時代はソニーの電機部門の調子も悪く、混迷を極めていたが、第8代平井一夫、第9代吉田憲一郎、第10代十時裕樹と比較的安定の継承スタイルが踏襲されたこの10年間でソニーのポジショニングはみるみる盤石化した。こうしてみると、ディズニーの経営とソニーの経営は、そのまま米国の経営と日本の経営の差でもある。だがどうして、ソニーのプロパー経営者純血主義が見劣りするか、というとそういう
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