初めて出合うものは、いきなり買わず、まず試食をしてみましょう。 道の駅 には、試食できるものはたくさんあります。そして自分だけでなく、子どもや夫にも食べてもらって、おいしく食べるようなら買ってOK。あまり好きではなさそうなら、自分が好きでもやめておいたほういい。家族が食べないと、自分一人で担うことになりますから。そして一人では食べきれず、でももったいないから捨てられず、やがて 冷蔵庫 やパントリーの奥へ奥へ……。「調味料の失敗」でよくあるのが、辛いものやくせのあるものです。ふだん使わない、変わった調味料を使って料理をしたけれど、家族に大不評だったというのはよく聞く話です。そもそも彼らは、いつもの味が好き。特に子どもは、ある程度、決まった味のパターンの中で食べて育ちますから、変わったものを食べ慣れていません。ですから、変わったものを食べたいなら、外食をしたほうが手っ取り早いだろうと私は常々思っています。「○○醤(ジャン)」と呼ばれる中華系の調味料も失敗しがち。「この料理をつくりたい!」と思って手に入れたけれど、そのレシピでしか使えず、応用が一切きかない。でもじつは「○○醤(ジャン)」は簡単に手作
また調味料以外の乾物も試食が大前提。さらに買うなら「いつ食べるだろう」「どんなときに食べるだろう」「どうやって食べるだろう」と、頭の中でシミュレーションしてほしいですね。日持ちがするものは、とりあえず買って放置しがち。魚介類なら、それをいつおかずとして出すのか、野菜や海藻なら、あえ物にするのか、汁物に入れるのか、「こうやって食べる」というのが明確になっていれば、「とりあえず買い」を防ぐことができるでしょう。要冷蔵の魚の干物は、すぐに食べないなら、小分けにして冷凍しておくのがおすすめ。解凍してグリルで焼くときに、日本酒を振るとふっくらしておいしく焼けますよ。 でも、そんなことをしなくても、旅から帰ってきたら、積極的に食べるといいですね。「楽しかった」というテンションのまま、買ってきたものを食べると、思い出話にも花が咲きますし、ずっと楽しい思い出として記憶に残ります。また、みんなで行きたいねってなりますよね。道の駅で、使い切れないものをつい買ってしまうのは「気が大きくなっている」「二度と買えないかもしれないという焦燥感」「目新しく感じる」……といったことが原因。つまりマーケティングの渦に巻き込まれているのです。
でもそんな商品を家に持って帰っても、自分の生活にフィットしない。おしゃれなドレッシングを買っても、おしゃれな料理をつくる習慣がなければ、使うことはありません。帰宅して仕事が始まれば、一層そんな料理をしている場合ではなくなるはずです。今はGWを前に気分があがっているでしょうが、「今年のGWの私は違う!」などと、やりもしない自分に期待するのは、もうやめましょう。これは旅行前だけでなく、ふだんの買い物に行くときも同じです。事前に生きているものと死んでいるものを確認し、自分の失敗パターンに気づく。ダメな自分と向き合い、受け入れて、同じ失敗を二度としたくないと肝に銘じる。そうすれば、お金の回り方も変わってきます。お金が貯まる人は、これが自然とできている人、己をよく知っている人です。
ただ闇雲に節約するだけではなく、たとえば「うちの調味料は、これだけあれば十分」ということがわかったら、同じしょうゆでも、近所のスーパーの安売りのしょうゆではなく、ワンランク上のこだわりのしょうゆを選ぶなど、より有意義にお金を使えるようになります。片づければ、お金の回り方も変わるし、料理もおいしくなるのです。それでも、なかなか改善しない人に……最後の手段です。一度、死滅させて捨てたものの金額をすべて計算してみてください。道の駅で買ったあのドリンク液1200円、家族が食べなかったあのドレッシング1000円、買ったまま放置していたあのワカメ1000円……、けっこうな金額になるのではないでしょうか。
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