しかし、そんな週末こそが競馬ファンにとっての一番の楽しみなのだ。一息つこうとトイレに入っても、どこからかファンファーレの音色が聞こえてくる気がする。トイレの片隅に競馬のカレンダーを置いてしまったせいだろう。テレビを見ても、ラジオを聞いても、新聞を読んでも、競走馬たちが圧力をかけてくる。リビングルームの壁には競馬カレンダー第2弾が設置されているし…。
こんな感じで今週も勝負が始まる。朝起きるとまずはレースの情報をチェック。そしてご飯を口の中にかきこみエネルギー補給。レースに興奮しすぎて貧血にならないようにしっかりと腹を満たす必要がある。そして身支度を終わらすと、いつもの馬券売り場へと向かう。今の時代、ネットで買えるのは魅力的だが、馬券の重みと肌ざわりは忘れてはいけないと心に刻むために、公共交通機関を使わずに自分の脚で向かうことにこだわりを持つ。 そして、通い慣れたWINSに到着すると、係の人たちへあいさつを忘れない。ここでポイントなのが元気いっぱいに声を出す気持ちを我慢することだ。「馬券を当てるためのゲン担ぎと思われない程度」が鉄則である。ここまで来ればあとは投票用紙に記入するだけなのだが、最後に塩ひとつまみ程度の努力をしておこう。建物の中では人の流れに身を任せ、下りエスカレーターを利用する。地下の階に着くと同時に、今度は階段を一気に駆け上がる。誰も見ていないところでひたすら膝を上げ続けるのだ。努力したものにしか的中は訪れない。古代ギリシャの有名な哲学者も口にしたであろうこの言葉から目を背けてはいけない。みなさんも是非、ほんの少しでも努力をしてから馬券を買ってほしい。ちなみに私はこのルーティンをした後に馬券が的中した試しはない。今日からは別のルーティンを探してみようと思う。
さて本題のNHKマイルCは、◎アスコリピチェーノで勝負だ。前走桜花賞こそ敗れたものの、追い切りでは好時計を記録しており、復帰したルメール騎手とともに2歳女王の力を見せつけてほしい。馬連（14）から（2）（5）（12）（16）の4点で狙う。 ◆シュンヤ 日刊スポーツを愛読する若き競馬予想家。12月9日、大阪生まれ大阪育ち。好きな馬はノームコア。就職試験でJRAの採用試験を受験するもあえなく撃沈し、現在は夜の仕事に励んでいる。好きなサッカー選手はリオネル・メッシ。尊敬する記者は高木一成記者。
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