3歳マイル王決定戦「第29回NHKマイルC」の追い切りが1日、東西トレセンで行われた。皐月賞3着から中2週で臨むジャンタルマンタルは栗東坂路を小気味いい走りで駆け上がり、好気配をアピールした。2歳王者が実績のある距離で貫禄を示す。マイル路線にシフトして2連勝中のディスペランツァも坂路で目を見張る動き。アーリントンC制覇の勢いそのままに頂点を目指す。
速い時計は必要ない。皐月賞から中2週で臨むジャンタルマンタルは坂路で足慣らしを終えた後の2本目に4F56秒7。序盤のゆったりしたラップで行きたがるのを鞍上が抑えながら加速ラップを刻む。雨が降り続けてぬかるんだチップを蹴散らし、小気味のいいピッチでラスト1F12秒3をマークした。高野師は「追い切りというより整えることを主眼に置きました」と意図を明かし「幾分行きたがる面はありましたが、この時計だから当たり前だと思いますし、リズム良くハツラツとした動きだったと思います」とうなずいた。 皐月賞は3番手から積極的な立ち回り。直線で先頭に立ち、押し切ろうかという手応えだった。最後は上位2頭の差しに屈したが、2歳王者としての堂々たるレースぶり。川田は「いい競馬でしっかりと頑張ってくれました」と称えた。その内容と現状を踏まえ、陣営はダービーではなくこのレースを選択。鞍上はベストの距離を「常々、千六だと考えています」と言い切る。デイリー杯2歳S、朝日杯FSを制したマイル戦なら強豪が相手でも負けられない。「一番強いというところをお見せできれば」と意気込んだ。
中間のテーマは前走後のダメージをケアして送り出すこと。高野師は「皐月賞でしっかり走って、ある意味いい負荷になったことを生かそうと。最初は軽いメニューで調整して馬が元気ですね。自分たちのジャッジでは疲れに関しては大丈夫です」と手応えをにじませた。「千六に戻したからといって、今までと同じように乗りやすい馬をつくっていくことは変わらないです。今までの調教の追求です」と続けた。皐月賞を好時計で力走した反動はない。力を出せる仕上がり。マイルG1・2勝目を挙げ、再び世代トップの実力を見せつける。
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