パリ五輪アジア最終予選を兼ねるU−23アジア杯カタール大会の初戦中国戦で日本の決勝点。過去に城彰二、中田英寿らレジェンドが決めてきた「五輪最終予選1号」の系譜に名を連ねた。19日(日本時間20日)の第2戦UAE戦に勝てば1次リーグ突破決定の可能性がある。直後の4月3日、リーグ浦和戦で今季初ゴールを奪うと、続く7日の鹿島戦、U−23代表合流前のラストマッチで2アシストした。
16日後、好調を維持したままの20歳がドーハで躍動した。大事な初戦の中国戦で、松木が決勝弾。MF山田楓のクロスに、絶妙な飛び出しで左足を合わせ「今は、すごく自分自身に自信がある。点を決めたら気持ちが楽になった」と見える景色が、より鮮明化した。五輪最終予選では96年の城や00年の中田英の系譜を継ぐ、大会1号。突破の立役者で、後の本大会でも輝いた先人たちに肩を並べた。 高体連最強の青森山田で1年から正選手。3年時には主将で全国3冠を達成した。東京でも高卒1年目から31試合に出場し、今季から3年目にして主将を任される。22年にはアジア連盟(AFC)年間最優秀ユース選手賞も受賞した。順調すぎる歩みにしか見えないが、本人の認識は違った。
「伸び悩みとは思っていないけど、今、結果的に見れば、そういう感じにはなっている」。物足りなさを感じていたのが、得点やアシストの部分。反対に「そこで結果が出てくれば、もっと成長できる」。伸びしろと捉えてアジアの舞台でも均衡を破り、一皮むけた。 抜群の存在感も、実は“飛び級”選出だ。昨年のU−20W杯メンバーで、最年長が23歳のパリ世代では下から数えて3番目の若さ。それでも副将を託されたのは信頼の証しだ。「個人の結果にフォーカスしながらもチームを勝たせることが一番大事」。中国戦で10人になった際も、ピッチ内の判断で一時的に中盤から左サイドバックへ下がるなど戦術眼が光った。守備時の高い貢献度に、苦しい終盤、逃げ切るどころか追加点のチャンスと見極めるや、相手ゴール前まで爆上がり。常に最善の判断をし、年長者のごとく体現できている。◆日本の五輪アジア最終予選第1号...
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