今春センバツ出場の関東第一を破って勝ち上がってきた修徳との一戦。帝京は序盤に大きなリードを奪った。2回1死一、二塁、7番・安部育規左翼手(3年)が左中間越えの3ラン。「まっすぐを狙って左中間に打てたので良かった」。金田監督も「一発が大きかった。いいスイングができていた」とうなずく高校通算9本目の本塁打で、チームを勢いづけた。
下位打線の活躍が光り、敵失も絡んで5回と7回にも1点ずつを加えた。入学当初はセカンドだったが、一時期イップスに悩みポジション転向したという安部や、表西優志中堅手(3年)ら外野手の好守備もあり8回まで無失点。先発の小野寛人(3年)は9回に本塁打を浴びて1点を返されたものの、粘り強く9回135球を投げきった。 抜け目なく、どこからでも打って得点を奪えるチームだ。飛ばない低反発バットの導入にも、フィジカルトレーニングを徹底し、打力へとつなげてきた。ひと冬で体重が7キロアップした3番で主将の西崎桔平内野手(3年)は、「打順は気にしていない。全員が長打を打てるし、小技も出せる。一戦を戦うごとに強くなってきている」と言い切る。ただ、満足することはない。安部も「夏に向けて、どこよりも長く試合ができるように」と引き締めた。(雑誌『報知高校野球』取材班)
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