9地区で26試合が行われた。十勝地区では、41年ぶりの春全道大会出場を狙う帯広農が10—2で帯広柏葉を下し、初戦突破。公式戦初登板の最速143キロ左腕・渋谷純希投手(3年)が3回1安打無失点、毎回の8 奪三振 と好投した。足寄は先発の堂田悠斗投手(3年)が帯広北を7回13 奪三振 で1失点に抑え、7回コールド勝ちに貢献。帯広南商は幕別清陵・鹿追・本別・音更・広尾・清水に7−3。2回戦に駒を進めた。帯広農・渋谷が31センチの特注スパイクで地面を力強く蹴り上げ、快速球を次々に投げ込んだ。公式戦初登板初先発で堂々の3回無失点。「投げたくてうずうずしていた。初めてで雰囲気とかが分からなくて心配だったけれど、バックも守ってくれて安心して投げることができた」と汗を拭った。
気温は8度。寒空の下、181センチ、89キロの大型左腕がマウンドに上がった。1回はオール直球勝負で3者連続三振を奪うと、2回2死まで5者連続三振の立ち上がり。6番打者に中前へのポテンヒットを許したが、後続を断ち、ラストイニングの3回は3K締め。西川雄太郎監督(36)は「初めて(公式戦での)投球を見て、素材は素晴らしいものを持っている。全道、全国に行っても十分に通用する。本当にいいピッチャー」と絶賛した。 21年夏の甲子園に出場した兄・悠稀さんと同じアイボリー色のユニホームに袖を通した。入学当初から首脳陣が期待を寄せていたが、昨春の関西遠征中に左肘に違和感を感じ、夏の大会後に手術。秋まで野手に専念し、高校2年間は公式戦登板がなかった。術後は徐々に球数を増やし、出力を上げ、冬の練習中に自己最速の143キロを計測。3月に行った練習試合では、センバツに出場した近江(滋賀)の主力に対し5回9奪三振と好投した。
肘の痛みはなく、今は万全の状態だ。練習試合ではすでに完投も経験している。次の帯広工戦は連戦となるが「連投もしているので、大丈夫」。高校野球ラストイヤーに彗星(すいせい)のごとく現れた十勝の“ドクターK”が、1983年以来の全道出場に導く。〇…足寄は帯広北に8−1。堂田悠が奪三振ショーを繰り広げた。今月行った帯広北との練習試合で好投し、元日本ハム・池田剛基監督(39)からこの日も先発を託された背番号5。1回1死満塁のピンチを連続三振で切り抜けて波に乗ると、毎回の13三振を奪った。次戦は昨秋2—4で敗れている白樺学園と激突する。右腕は「冬は打倒白樺でやってきた。絶対に抑えて勝ちたい」と闘志を燃やしていた。
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