手応え十分の当たりだった。東北の4番・布川は5回1死一塁で真ん中へ来たスライダーを見事に捉えた。「打った瞬間行ったなと思いました」と打球は右翼席へと吸い込まれ、公式戦では3本目となる本塁打。木製 バット では初アーチとなり「自分でもびっくりしたけれど、すごく気持ちよかったです」と笑顔を見せた。
先発した川原輝陽(2年)は好調だったカーブを主体に5回を投げ2安打無失点の好投。3人で1失点と最少失点でつなぐと、野手陣も8回に打者9人で5得点を挙げるなど13安打と要所で得点を重ね、県大会初戦を快勝した。冬場はチームとして木製バットで打ち込みをしてきただけに、佐藤洋監督(61)は「木製の難しさの中でも、しならせることを覚えた。低反発でも飛距離が極端に落ちたと感じていないし、冬の成長が出たと思う」とうなずいた。 昨秋は中部地区予選、県大会ともに仙台育英に敗れ、布川は「同じ相手に2度負けて、もうこの悔しさは味わいたくないと思った」と、言う。「技術だけでなく気持ちの根本から見直した」とベンチでの振る舞いなどを全員で徹底し、この日も最後まで明るい空気を絶やさずコールド発進。次戦に向け布川は「楽な試合はない。一戦必勝で戦い抜きたい」と油断せずに勝利を積み重ねる。〇…仙台一は富谷に13−2(5回コールド)。3番の高橋彪右翼手(3年)が4打数3安打2打点の活躍を見せた。初回は左翼線への二塁打で先制の足がかりになると、3回にはバント安打と小技を披露。5回は11—2から右前への2点適時打を放ち「いろいろな形で打ててよかった」と振り返った。今春センバツの21世紀枠候補まで残ったが「追われるのではなく、追う立場」と挑戦者精神を再確認して挑む春に、「しっかりと自分の役割を考えて戦っていきたい」と意気込んだ。
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