降り注ぐ雨が心地よかった。ノーサイドの笛が鳴ると、東海大静岡翔洋フィフティーンはガッチリ抱き合って２年ぶりの歓喜を味わった。元ヤマハ発動機の津高宏行監督（３９）は「ほっとしています。去年の悔しい思いは今も鮮明にありますから」とうなずいた。
１年分の成果を出した。キックで翻弄（ほんろう）された昨年の反省から「ボールを速いテンポで回す」方針を定め、シーズン当初からハンドリングの技術を磨くことを徹底してきた。４点を追う前半３３分、ゴール前ラインアウトから右に展開し、保竹が走り込んで逆転トライ。「大外が空いていたのでいけると思った。あれで流れが変わった」。後半も攻撃の手を緩めず、２つのトライで引き離した。次なる舞台は聖地・花園だ。前回出場の２０年は１回戦で秋田工に０―６８と大敗している。ゲーム主将の名取は「目標はシード校撃破です」。保竹も「全国でもトライを取ります」と誓った。５年ぶりの花園１勝へ、再び歩みを進めていく。〇…聖光学院は連覇の夢が絶たれフィフティーンがグラウンドで泣き崩れた。前半６分、ＴＢ平野怜（３年）が右サイドにトライを決め７―３と一時は逆転も、その後は不用意なペナルティーなどでリズムがつくれず。松山吾朗監督（４５）は「モールディフェンスができなかった」と反省。ＦＷ上柳政太主将（３年）は「ワンプレーワンプレーは負けていなかった。ペナルティーをたくさんもらったことが自滅につながってしまった」と唇をかんだ。
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