21年東京五輪1500メートル8位入賞の田中希実(24=ニューバランス)が、同種目でパリ五輪代表に内定した。参加標準記録4分2秒50を破る4分1秒44を記録し、5連覇を達成。ケニア合宿で培った力を発揮し、21年東京五輪後では自己最高となる好記録をマークした。5000メートルに続く2種目で五輪切符を得た。男子400メートル障害は、慶大4年の豊田兼(21)が日本歴代3位の47秒99で制し、今大会の内定1号となった。田中は、ホッとした様子でペースメーカーのヘレン・エカラレ(ケニア)と抱き合った。序盤からエカラレのすぐ後ろに位置取り、残り約400メートルで前に出ると、独走フィニッシュ。21年東京五輪後では自己最高となる4分1秒44で、2位に9秒59の大差をつけた。大会直前まで行った今月のケニアでの特訓が、自身を支えた。2週間の合宿では、U20世界選手権を目指す若い選手とスピード重視の練習に取り組み「バチバチやる感覚」を取り戻した。その感覚が身につき、帰国後の大一番でスタートから積極的なレースを展開した。「跳び上がって喜んでもいいくらいの記録」と表現した。
ケニア合宿に参加するのは、自身4度目。標高2400メートルで酸素が薄い上、石もゴロゴロと転がる坂道を走る悪環境だが「ホームのような」感覚になりつつある。「いつもだったら外国人選手と走るとなると焦ってしまったり、怖いという気持ちが生まれてきてしまうけど、今回は抵抗がなかった」。ナーバスになるどころか「ケニアで経験したことができることが楽しみ」というほど変わった。
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