菅野が２日、横浜スタジアムで行われたＤｅＮＡとの今季最終戦で５回を投げ７安打無失点の好投で１０勝（７敗）目を挙げた。今季は右ヒジの違和感、新型コロナウイルス感染症の陽性反応などもあり、２年続けて納得いかない成績だったかもしれない。それでも、終盤戦の投球内容に手応えをつかんだのか「この調子で来年のスタートからできればすごくいい成績が残せると思う」と、完全復活に向けて自信をのぞかせた。
だが、来年も巨人のユニホームでシーズンをスタートさせるのだろうか。菅野は２０２０年１２月にＭＬＢに挑戦するためポスティングシステムを申請し、球団からも了承された。２１年１月１日、ＭＬＢ球団と交渉するため渡米したが、交渉期限の日本時間１月８日まで成立せず、年俸８億円の単年契約でチームに残留した経緯がある。翌シーズンはプロ入り最少の６勝（７敗）で終わり、プロ入り初の年俸ダウンとなる６億円で契約を更改。今季も巨人でプレーする道を選択したが、ＭＬＢ挑戦の夢を決して諦めたわけではないだろう。 菅野は２１年シーズン中に海外ＦＡ権を取得している。ポステイングシステムでの移籍が実現しなかったのは、新型コロナウイルス感染症拡大の余波で、各球団とも経営状態が悪化。菅野サイドが望む条件を引き出せなかったことが大きな要因だろう。また、通常の試合数でシーズンが行われるのか、不透明だった。ヤンキースとの７年契約が終了した田中将大（３３）が日本球界復帰を選び、楽天でプレーするようになったのと同様の判断だ。だが、今季のＭＬＢをみる限り、そんな心配はなくなっている。
球界内では現在の菅野に対し、全盛時を過ぎたという声は確かにある。だが、最多勝３回、最優秀防御率４回を始め数多くのタイトルを獲得した実績はだてではない。また、１８年１０月１４日、神宮球場で行われたクライマックスシリーズ・ファーストステージ第２戦で、ヤクルトを相手にＣＳ史上初、ポストシーズン初となるノーヒットノーランを演じた大舞台での勝負強さも兼ね備えている。 ２年連続でリーグ優勝を逃した巨人は、来季に向けてＦＡやトレード、新外国人獲得など大幅な戦力補強に乗り出すだろう。その中で菅野が欠けるのは痛いが、戸郷翔征（２２）もエースに成長。他の若手先発投手も育ってきている。ルーキーの大勢（２３）も新人歴代最多となる３７セーブを挙げる実績を残し、今後数年間はストッパーに困るチーム状況にはない。
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