5月、 ヤクルト が台風の目になる。打線が引っ張る今のチーム状態は明確になっている。チーム打率、打点、本塁打、得点圏打率、OPS、いずれもリーグ1位。投手陣は苦しんでいるが、先発は小川が戻り吉村、ヤフーレと柱がそろいつつある。そんな時こそ、そつなく攻めることを、突き詰めて実践すべきだ。初回、4連打で2点先制も、サンタナは無死一、二塁で右翼フェンス際への大飛球。二塁走者オスナはハーフウエーから戻り三進できなかった。
1死一、二塁で長岡の中前打で3点目をあげたが、結果良しで済ませてはいけない。1死一、三塁ならば、長岡は犠飛でも良かった。ちょっとしたことだが、しっかり形をつくっての追加点が、流れがいい時は非常に大切だ。 さらに1死一、三塁で中村は初球をセーフティースクイズ。これはベンチの着眼点が良かった。DeNAバッテリーは慌てていただろうし、初球からケアする余裕はなかったように思う。それだけに、中村にはしっかり決めてほしかった。ここも、まさにそつなく、を徹底すべきポイントだった。つまり村上が粘ることで長岡、中村が二、三塁に進塁してしまえば、北村拓は敬遠され2死満塁で打者は投手吉村が想定された。2死一、二塁で打者北村拓の方が、得点の可能性は高い。そこまで考えた村上、長岡、中村の走塁と感じた。
対してDeNAは6回の度会の失策でチーム21個目はリーグ最多。ミス撲滅がDeNAの最優先事項。この試合でもそうだったように、勝敗に直結するプレーは絶対にミスしてはいけない。本拠地でやっている以上、風も雨も言い訳にならない。 セ・リーグは2・5差に全チームがひしめく混戦となっている。ヤクルトの攻撃力、筒香の復帰で打線に厚みは増したがミスに苦しむDeNAと、それぞれのチームの長所短所がくっきりと見える一戦となった。(日刊スポーツ評論家)
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