阿南光の井坂琉星は、バッテリーを組む吉岡を小学生の頃から知っている。ともに阿南市出身で、少年野球時代に何度も対戦したことがあったからだ。小学生の頃は互いに捕手で主将。「吉岡は投手をやることもあり、球が速かったことを覚えています」。そして中学から同じチームに所属。吉岡が投手に本格転向し、バッテリーを組むことになった。
中3時には全国大会で優勝。井坂と吉岡には県外私立からの勧誘もあった中、吉岡から「それは違うやろ。阿南光で一緒にやろう」と引き留められた。そして中学時代の同僚6人で同校に進学。「みんなと一緒の高校に来て良かった」と決断は間違っていなかった。 地元の阿南市に残ったことで、新たな目標もできた。「野球のまち」を掲げる同市は、野球を通した町おこしを行っている。ただし、出身の少年野球チームは選手数が減少しているという。「野球人口が減っているのかな…。僕らが先頭に立って町を宣伝し、野球をする人が増えてくれたらうれしいです」。吉岡と井坂は野球を介して出会い、一生の友となった。阿南光が伝えた野球の楽しさは、いつか地元の少年少女の宝物になるかもしれない。 (河合 洋介)
◇井坂 琉星(いさか・りゅうせい)2006年(平18)7月4日生まれ、徳島県阿南市出身の17歳。小3で桑野シルバータイガースで野球を始めて捕手。中学ではヤング阿南シティホープに所属。阿南光では1年夏から背番号17でベンチ入りし、1年秋から背番号2。50メートル走6秒0、遠投100メートル。1メートル77、75キロ。右投げ右打ち。
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