坂路で4F51秒9。「土曜にスクーリングをしたい。そこで金曜に輸送する。追った後は一日でも(多く)間隔が空いた方がいいので火曜に追った。初めての関西輸送でもあるし、小さい馬だから」。戸田博文師は、驚く報道陣にその意図を説明した。キストゥヘヴンは戸田師の描いたプランにしっかりと乗った。土曜の阪神ではパドック、馬場をスクーリング。自ら手綱を取った戸田師は、その落ち着いた様子に「やれることは全てやった。変わりなくきている。期待したいね」と満足げに語った。馬体重はフラワーCと同じ418キロ。「馬体重の維持が最重要の課題だった。うまくクリアできた」。戸田師はこの時点でキストゥヘヴンの快走を確信した。4角。そのアドマイヤキッスを見つつ、大外に出す。戸田師の策によって絶好調に仕上がったキストゥヘヴンの末脚がうなりを上げた。残り50メートルで先頭に立つ。ゴールを迎える前からアンカツの右腕が上がった。もっと腰を据えて中央で乗っていかなければ関係者の期待に応えられない。そう考えた安藤は、その後にJRA移籍を果たす。いわばライデンリーダーは“アンカツ中央入り”のきっかけとなった馬であり、その契機は桜花賞だっ
この一戦の前は「桜花賞みたいな大きなレースは、そう勝てないから」と言っていた安藤だが、キストゥヘヴンで勝った翌年もダイワスカーレットで連覇。それどころかブエナビスタ(09年)、マルセリーナ(11年)で次々と勝ち、何と6年で4勝もしてみせた。
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