《NHKの連続テレビ小説「風のハルカ」(平成17年)でのヒロインの母親役や、検事や弁護士など、人情味もあるキャリア女性役を多く演じた。当たり役の一つが18年、フジテレビ系で放映された、航空会社が舞台のドラマ「アテンションプリーズ」における客室乗務員(CA)の教官、三神たまき役だ》
わが家は父も兄も航空会社勤務で、親戚にもCAがいましたから、こういう形で自分も同じ業界に関われたのは、奇遇でうれしかったですね。実は出演前、役作りのため日本航空のCAの授業を、こっそり受講させて、とお願いしたんです。ですが生徒の中で、「明らかに貫禄があり、目立つのでは…」と残念ながら却下されてしまいました。手の位置など立ち居振る舞いから、航空用語の一語一句、言葉遣いまで、撮影現場では現役CAの方々に横についてもらって徹底的に教えていただき、私も裏では生徒そのもの。特に私の役は教官だけに、誰よりも完璧でなければならず、なかなか難しいものがありました。ただCAはどんな状況でも、柔軟な態度を崩してはいけないので、俳優に通じると思いました。
女優って聞くと、女性らしく華やかなイメージを持たれる職業だと思いますが、私は一番求められるのは、精神面の強さだと思います。演出家やスタッフに、ときに怒鳴られたり、せりふや立ち位置などの変更は、本番直前でも来ます。それでも、その場で覚え、実践できるのがプロとされます。その緊張感の中で、役になり切る集中力を見せなければなりません。内面と外面のギャップは、CAの方々と同じと感じました。ヒロインと一緒にして恐縮ですが、私は〝宝塚の美咲洋子〟でしたね。何しろ成績は39人中37番。CAも宝塚も、みんなが憧れて入ってくる中、私は無知のまま入学し、みんなより苦労し、しかも「トップスターになりたい」と無謀に夢は大きく描き、周囲から笑われていました。それがバネになったから、結果としてよかったんですけど。後輩はみな同じ性格ではないし、世代間のギャップもあります。だから教える、という行動は、大変な労力が要る。でも愛情を持って手を離さなければ、叱っても注意しても大丈夫、というのが私なりの過去の感触でした。それは劣等生だった私にチャンスを与え、諦めず指導してくださった宝塚の先生や先輩方から、学んだことでもあります
私がトップ時代、朝の自主稽古に必ず遅刻する後輩がいました。成績も悪くないし、悪気もなさそうでしたが、時間だけはルーズ。なので私、彼女に「私が出てない場面だけれど、稽古にあなたが遅刻しないよう待ってるから」と言って、数日、約束の15分前に行ったんです。それを続けたら彼女、きちんと時間を守るようになりました。 圧倒的な威圧作戦、ウザイでしょ?(笑)。ただし「ここまで、やってあげたのに」とだけは思わないよう、自分にもルールを課し、後輩に接しました。どんな経験も、いつか役に生きる、とこの教官役で改めて感じ、感謝しましたね。(聞き手 飯塚友子)
「アンタ言ったよな、自分の負けを認めろって!だから私はここまでこれたんだろ?」辞めようとする教官を追いかけてきた美咲洋子のセリフは今でも覚えてる。自分の負けを認めるって難しい。でも成長はその先にある。
もう勘弁
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