東京都葛飾区で昨年３月、父親と一緒に横断歩道を渡っていた小学５年の女子児童が、車にはねられ死亡する事故が起きた。車は赤信号を無視しており、自身も重傷を負った父親は、自動車運転処罰法の過失運転致死傷罪ではなく、より法定刑の重い同法の危険運転致死傷罪での立件を求めて奔走。運転手の男は危険運転致死傷罪で起訴されたが、争点整理に時間がかかり、事故から１年半以上経過した今も公判は始まっていない。「本当にあり得ない、ひどい事故だったことを知ってほしい」。取材に応じた父親は、こう訴える。事故が起きたのは昨年３月１４日午後８時４５分ごろ。小学５年の波多野耀子（ようこ）さん＝当時（１１）＝は、父の暁生（あきお）さん（４４）の散髪に付き添った帰り道、親子２人で自宅近くの交差点の横断歩道を渡っていた。事故があった交差点。波多野さん親子は画面奥の横断歩道を渡っていたところをはねられた＝東京都葛飾区四つ木（村嶋和樹撮影）
２人は車にはねられ、耀子さんは２０メートルほど車に引きずられた。病院へ搬送されたが、間もなく死亡。消防の救護記録によると、車の下敷きになった耀子さんを助けるため、居合わせた人々が車を持ち上げたという。暁生さんも左足の骨を折るなどの重傷を負った。 車を運転していたのは、埼玉県三郷市の配送業（当時）、高久浩二被告（６９）だった。自動車運転処罰法違反（過失致傷）容疑で現行犯逮捕され「衝突したことは間違いない」と認めたが、その後行われた実況見分などで明らかになった当時の状況を聞いた暁生さんは、言葉を失った。ここで被告は、驚くべき行動をとる。交差点に時速約５７キロで進入。赤信号で停車している隣の第２車線（右側車線）の車を追い越す形で車線変更、そのまま横断歩道にいた２人をはねたのだ。赤信号を無視した理由について「右への車線変更が苦手だったから」と説明したという被告。前方の駐車車両を避けるには、青になってからだと右側車線の車の流れに割り込まなければならず、右側車線の車が赤信号で停車しているうちに通り抜けようとしたとみられる。
過去の裁判例を調べた暁生さんは、被告の運転が過失などではなく、「ことさらに赤信号を無視した危険運転」に当たるとの考えを強めた。だが、調書作成のため面談に訪れた検察官は、なかなか危険運転致死傷罪の適用を明言しなかった。危険運転致死傷罪が適用されたことで、事故は裁判員裁判の対象となった。６月から公判前整理手続きが始まり、初公判の期日はいったん今月１９日に指定されたが、直前になって取り消された。公判の開始は来春以降にずれ込むとみられる。暁生さんや妻によると、翌年に中学受験を控えていた耀子さんは、勉強に励んでいた。部屋には、今も学習机に塾の通学バッグがかかったまま。壁には地図記号や円周率計算の早見表が貼られている。妻は「一人っ子でのんびりした性格だったが、最後までやり切る子だった」と振り返る。
「耀子の命は戻らない。裁判で負けようが勝とうが、納得できる判決にはならない」とも漏らした暁生さん。悲しみをこらえつつ、「遺族はいつまで我慢し続ければいいのか。裁判では、明らかな危険運転だったと認定してもらいたい」。暁生さんは力を込めた。（村嶋和樹）
どうぞご遺族に救いと癒しがもたらされます様。
悲惨すぎて、最後まで読めない...ご冥福をお祈りします🙏☸️💧
自力救済しかないな
こんな事件でも適用が難しい法ならば法の不備だと思います。不備だとすれば改正すれば良い。国会議員は何やってるの？
公道を走る以上はちゃんと交通ルール、道路交通法を理解した上で車に乗れ。車を乗る以上は責任が重いからな
子が何人いても逆縁は非常に心苦しいけれど、一人娘さんとあり息が詰まる。ご冥福をお祈りします。
赤信号を30m前から認知してたけど無視して侵入→二人はねて女の子は20m引きずられて死亡 普通に言い逃れ不可能だよな、なんで先延ばしにしてんの？
無法ドライバーと遭遇した時に備えて青信号でも左右確認を怠らないように。
明らかな過失なら懲役20年の刑だよな
危険運転致死傷罪でも軽い 殺人だろう。
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