数年前、私の周辺でプロ志望届を出した子がいた。その年のドラフト会議はどうにも落ち着かなかった。本人や親御さんの緊張は相当なものだったと思う。幸い彼はドラフトで指名を受け、プロ野球選手として活動している。
プロになりたい、と願ってもチームに指名されなければ叶(かな)わない。狭き門をくぐりぬけ、指名されたとしても永遠に選手ではいられない。ドラフト会議で約100人のプロ野球選手が生まれるとともに約100人の選手がユニホームを脱ぐ。高校時代、甲子園で「ハンカチ王子」と呼ばれ、現楽天の田中将大(まさひろ)投手(32)との攻防が話題になったのが15年前。田中投手は高校卒業後にプロの世界に入ったが、斎藤投手は早稲田大学へ進学し、大学野球日本一に貢献した。卒業後は4つの球団からドラフト1位指名を受け、日本ハムへ入団した。1軍最後の試合での斎藤投手の表情は、とても穏やかに見えた。死闘を制したあの甲子園のマウンドでも彼はどこか穏やかな顔をしていた。他人にわからないプレッシャーや苦しみもあっただろうが、変わらぬ斎藤投手の表情に芯の強さを感じた。
活躍し、注目を集めれば誰もが振り向き、褒めたたえる。そうした結果が出なくても努力した事実は変わらない。試合後の引退セレモニーで、斎藤投手の登場曲「勇気100%」を後輩選手らが合唱する映像が流れ、思わず涙が出てしまった。なかえ・ゆり 女優・脚本家・作家。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー。多くのテレビドラマ、映画に出演。14年、「納豆ウドン」で「BKラジオドラマ脚本懸賞」最高賞を受賞し、脚本家デビュー。文化審議会委員。
まだ期待するのかよ…
マスコミ特にスポーツ新聞各社に祭り上げられてしまったきらいがあるよね。
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