最後の1球にエースの意地を見せた。「自信のある真っすぐで勝負した」。慶応のエース小宅雅己投手(2年)は左邪飛に打ち取ると、あっという間に歓喜の輪が広がった。「1度も優勝投手になったことがなかったので。うれしかった」。春は鈴木、夏の県大会は松井。最後の舞台はエースが舞った。
8−2で迎えた5回、交代が告げられると、先発の鈴木から「3点以内だったら許すよ」と笑顔でバトンを渡された。中1日での登板に「真っすぐが来ていない」と分かるや、カットボールを軸に打たせてとり5回4安打無失点に抑えた。 今夏、最後の舞台で成長を証明した。「走者を出した時のギアの使い方がうまくなりました」。9回無死二塁とピンチを招くと「流れがいってしまう」とギアを上げた。最後の力を振り絞り真っすぐ主体へ。「育英さんに自分の投球をすれば抑えられる。自信はありました」。堂々と昨年の王者に立ち向かった。 エンジョイベースボールが好きで慶応に入学した。「勝たないと楽しくない。勝つために練習を重ねてきた」。体力不足を課題に、トレーニングを重ね試合に備えた。「甲子園は楽しかったです」。聖地で野球を楽しんだ。...
◆2年生が優勝投手 チーム最多投球回の小宅が優勝投手。小宅は胴上げ投手にもなった。2年生の優勝投手は13年高橋光成(前橋育英)以来で、48年の学制改革後13人目。2年生の胴上げ投手は昨年の高橋煌稀(仙台育英)に次いで2年連続。
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