日本ハム のドラフト1位・ 細野晴希 投手(22=東洋大)がプロデビュー戦で先発した。1イニングだけだったが、最速158キロ左腕の片りんは十分に感じることができた。全16球のうち11球がストライク。うち変化球は6球投げて、4球がストライク。制球はいいと感じた。変化球はスライダーと、もう1球種。チェンジアップかフォークかはっきりしなかったが、2種類を投げていた。オイシックスの中山に中前打を許している。打たれたのは152キロの真っすぐだった。あれだけのスピードがありながら、初見のバッターに打たれたことで、球質が気になった。肝心なのは打者にとって、この左腕の快速球はどう映っているのか。
私はどうしても捕手目線から投手のボールを考える習慣がついている。球速は大きな武器になる。そして、ベース板付近で打者が速さを感じる球質を、私はもっとも大切にしていた。いわゆる打者の手元で伸びるというボールだ。 細野は150キロ超えの真っすぐをファウルされていたが、これで空振りが取れるようになると、さらに魅力は増す。リードする捕手としても、自信をもって勝負どころで真っすぐを要求できる。これは理想的な勝負の仕方になる。その可能性を秘めるだけでも有望。さらに左腕という要素が加わるため、その価値はグッと高まる。 試合前のアップで、細野の基礎体力の高さを実感する場面があった。外野で遠投をしていた。センターから左翼ポールへ、およそ80メートル。投げるまでの一連の動きを観察していて気づいた。両足を開き、まず右足に重心を乗せてから、軸足の左足に体重をかけていた。助走もなく、よけいな反動もつけない。大卒ルーキーとして4月下旬にプロ初登板というのも、しっかりコンディションを整え、準備ができたのだろう。最初は1イニングというのも、1軍を含めた首脳陣がしっかり段階を踏みながら調子を上げさせようという意図を感じた。日本ハム対オイシックス プロ初登板を果たした日本ハム細野(撮影・黒須亮)
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