周辺でヘリの回転翼のブレード(羽根)や機体の一部、ヘルメット数個が発見された。2機のフライトレコーダー(飛行記録装置)も回収されている。これまでの調べでは、飛行中の機体に異常を示すデータは得られていないという。状況から、2機は衝突した可能性が高いとみられている。このためSH60哨戒ヘリは、ホバリング中の機体からソナーを海中につり下げ、音波を出して潜水艦の位置を探る。正確な情報を得るため、護衛艦と連携しながら複数機で行うことになる。
近接したヘリは互いに目視で位置を確認する。見通しが悪くなる夜間は、機体に取り付けられたライトでの判別を迫られる。機内には周囲のヘリの位置を表示し、接近を警報で知らせる機器も装備するが、操縦の難しさは格段に高まるという。海自は、複数の航空機が展開する現場では高度差を指示するなど再発防止策の徹底を打ち出してきた。高度を分離する措置がとられれば衝突の可能性は低くなるが、衝突したのであればそうした対応がとられていなかった疑いが強まる。当時の状況を明らかにすることが重要だ。 日本周辺の安全保障環境が厳しさを増している。海洋進出を進める中国が潜水艦の増強を進め、台湾有事への警戒感も高まる。海自は日本の防衛への重要な任務に、対潜水艦戦の能力強化や周辺国の動向監視に取り組んでいる。安保政策の転換や防衛費の大幅増額が、現場への過度の負担となっては防衛力に影響する。原因究明は多面的に進める必要がある。
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