アートに「定価」をつけることはできませんが、きちんと価値を理解してくれる人と出会ったとしたら、相応のお金をいただくのは自然なこと。通常の商売で当たり前にやっていることは、アートの世界でも同じだということです。自分も「商売人」であると実感せよ
。会社にお勤めすると、毎月決まったお給料をいただくので、実感が持ちにくいかもしれませんが、これも働いた結果に基づいてお金をいただいているものですので、実は立派な取引で、雇用契約という契約に基づく行為です。いずれにしても、このように「お金をいただいてなにかをする」行為を、会計では「取引」と呼ぶわけです。そして会計は、この「取引」を記録する方法であるということ。(24ページより)お金に関係するという点では同じですが、「会計」はお金の出入りを伴う取引をする方法。一方の「財務」は、お金自体の管理の方法。会計は過去の記録で、財務はそれを基に未来を予測するものだということです。そのため、実は「会計」では儲かっていても、「財務」ではお金がないという事態が起きたりするのです。このとき会計(過去)で見ると3月までは黒字だったお店が、4月からの休業で急に売上がなくなり、財務(未来)の観点では、お金が入ってこなくて支払が困難になり、経営が苦しくなる事例が続出しました。大手の飲食チェーンや、ホテルチェーンも、資金不足に陥り多数の店舗を閉鎖しました。(27ページより)
つまりはこのように、会計の数字は過去からの集計なので黒字に見えるわけです。ところが急な環境変化で運営資金の不足が限界を超えてしまうと、モノの仕入ができない、借入の返済ができないなどの問題が生じ、黒字なのに倒産する可能性が出てくるということ。 もちろん、アーティストなどの場合は基本的に仕入や借入の必要は少ないかもしれません。しかし、そうはいってもお金については、このように過去と未来の両面から考える習慣をつけておいて損はないようです。前述したとおり、アーティストも商売人なのですから。(26ページより)クリエイター、アーティスト、フリーランスが読んでおきたい会計の授業 ギャラをいくらにする?
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