日本代表MF田中碧(25=デュッセルドルフ)が、国際Aマッチでは自身初の複数得点となる2ゴールで勝利に貢献した。開始2分の先制弾でチームを勢いに乗せ、3-0で迎えた後半4分にはダメ押し弾。22年W杯カタール大会で殊勲のゴールを決めた男が、主力の座を取り戻すべく猛アピールした。迷わず振り抜いた。開始早々、ペナルティーエリア手前でクリアボールが転がってきた。田中はトラップして体の向きを変え、右足ミドル。DFに当たったボールはそのままネットに吸い込まれた。「狙い通り相手の股も通せたし、打ってよかった」と笑みを浮かべた。
3-0の後半4分には、カナダの戦意を奪う4点目。MF伊東の浮き球パスに反応して相手DFの背後をとると、浮いたボールに右足を合わせてゴール右上を射抜いた。「(伊東)純也くんが時間を作ってくれてスペースも空けてくれた。走り込んでよかった」と、アシストに感謝した。 W杯カタール大会ではスペイン戦で“三笘の1ミリ”を得点に結びつけるゴール。一躍ヒーローになった。所属クラブでは出番に恵まれず、代表でのポジション争いではMF遠藤主将やMF守田らに後塵(こうじん)を拝している。「ゴールに絡むところは課題だと思っていて。日本にいるときもしてこなかったし、向こう(ドイツ)にいっても全然…」。自分に厳しいがために、今回の活動時には自信を失ったような言葉も口を突いた。
下を向いていられないのは分かっている。9月のトルコ戦ではキャプテンマークを任された。今夏にビッグクラブへのステップアップする仲間もいて焦りが募る中で、指揮官からのメッセージを感じた。「いろんなところに顔を出して、局面を変えることだったり、試合を作っていくところ」と、自身の強みも再確認して臨んだ1戦で、意地の2発を決めてみせた。
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