最大の注目点は米国で10日に発表される5月の消費者物価指数(CPI)。ブルームバーグが集計したエコノミスト予想の中央値は前月から伸び悩む見通し。総合CPIの上昇率は前年同月比8.2%(前月8.3%)。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは5.9%(同6.2%)と、それぞれ前月から上昇率が縮小する予想だ。されるなど、消費回復の流れが一段と強まっていることも相場を支える要因になる。
ただチャートでみると、日本株は息切れしやすい局面に入っている。6月1週のTOPIXは週間で2.4%高と3週続伸した。昨年9月以降の高値を結んだ上値抵抗線に接近しつつある。上値の節目に接近してきたことで戻り売り圧力が強まりやすい。10日は現物株の取引開始時に、株価指数先物・オプション6月限の特別清算値(SQ)が算出されるため、需給主導で値動きが大きくなる場合もありそうだ。 経済協力開発機構(OECD)は8日に最新の経済見通しを発表する。ロシアのウクライナ侵攻の影響を踏まえた予測修正が注目点だ。9日は欧州中央銀行(ECB)が政策金利を公表する。内閣府は8日に景気ウオッチャー調査を発表する。 米インフレの勢いが弱まる期待が出てきたため、株高はもう少し続く可能性がある。今回の米CPIはそうした市場の期待を補強する材料だが、結果次第というよりは発表をきっかけに株式相場はポジティブな反応が出るのではないか。市場予想から下振れとなればピークを付けたとの観測が強まり、たとえ上振れしても時間がかかっているだけでピークを付けたことには変わりないとの見方が広がりそうだ。日本は経済再開の流れにインバウンドが加わろうとしている。足元の米国株高はベアマーケットラリーか弱気相場からの転換かはまだ不透明だが、日本株の環境は明るくなってきている。...