実際、左手１本で、応援に使うスティックバルーン（応援棒）でイスの脚などを叩いてもらうと、ほとんどの人が棒を立てて下ろします。この動きを、ゴルフクラブを持ってやると、ヘッドが腕の前に出てしまいます。そしてインパクト～フォロースルーで左手首が甲側に折れる動きになってしまいます。という話をすると、「そんなバカな」と思う人が多いのですが、それくらいの意識がないと、ダウンスイングでクラブは倒れないのです。
イメージとしては、ふすまを左側に開ける感じ。ふすまを開けるとき、左手の手のひらは左方向に向いているわけですが、この動きだと体も一緒に動きます。スイングでは、腕が右側に下りる動きと体の回転が連動する感じになります。それに対し、ターゲットに対して左手甲をぶつけるような動きになると、体が回ってくれません。この動きを理解してもらうために、レッスンでは少し太めで軽い棒を左手１本で持ってもらい、スイングしてもらいます。太い棒だと、インパクト～フォロースルーで手を返そうとするとすっぽ抜けそうになるし、体の動きも止まってしまいます（写真❶❷）。一方、ふすまを開ける動き（同❸❹）だと棒が抜ける感じはなく、体の回転とも連動してくれます。 （次号に続く）
■新井淳（あらい・じゅん） ＪＧＴＯメンバーを経て指導の道へ。打撃動作を研究し、「２重振り子スイング」という独自の理論を確立した。現在、ＹｏｕＴｕｂｅチャンネル「新井淳・スコアパーソナルゴルフ」を展開中。「Ｓｃｏｒｅ ｐｅｒｓｏｎａｌ ｇｏｌｆ ｌｅｓｓｏｎ」（小田急線小田急相模原駅近く）も主宰しており、スタジオには、全国から悩めるゴルファーが集まってくる。新刊「ゴルフ プロの「飛ばし」が身につく！ 二重振り子スイング」（池田書店）が好評発売中！
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