同学年の菅野を強烈なアーチで援護した。巨人・丸が5月12日の広島戦(東京D)以来となる1試合2本塁打。「(2本)どっちも試合の要所要所というか、そういう場面でいいホームランだったんじゃないかなと思います」と会心の2発を満足そうに振り返った。
衝撃の一発で反撃ののろしを上げた。0―2の5回先頭。2ボールから尾形の148キロ直球を完璧に捉えると、弾丸ライナーが一瞬にして右翼席へ届いた。7号ソロは打球速度175キロ、飛距離122メートル。原監督も「丸の一発はすごかったね。たぶん小倉球場(現在は北九州市民球場)までいった(笑い)。というぐらいすごい」と、博多から約70キロ先の北九州まで飛ぶほどのアーチと表現し、称賛した。 2本目は無失点男から価値ある一発だった。1点リードの9回先頭。「差し込まれないように、ポイントはしっかり意識して振りました」と2ボールからオスナの153キロを右中間テラス席へ8号ソロ。今季開幕から17試合連続無失点だった守護神からのアーチで試合を決めた。
同学年の絆が生んだダメ押し弾でもあった。菅野からは「9回も一発頼むよ」と声をかけられていた。実行した丸は「覚えてないです。集中していたんで」とおどけたが、「なかなか序盤、点を取れなかったので我慢のピッチングをさせてしまったんですけど、しっかりとゲームをつくってくれた。その中で僕らが何とか点を取れたのが良かったですね」と菅野の白星を喜んだ。互いに相談もし合う仲。エースも「最後の1本はチーム的にも大きかったと思うし、うれしい」と声を弾ませた。 丸の2発でソフトバンク戦は18年以来5年ぶりの勝ち越し。2試合連続スタメンでともにマルチ安打と好結果を残し、6月の打率は2割8分9厘と上昇気配を示した。「与えられたところで結果が出るように日々やるしかない」。背番号8らしい安定感を取り戻し、主力としてチームを押し上げる。(田中 哲)
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