簡単な選択ではなかったはずだ。
20年ドラフト4位で三菱パワーから即戦力として入団。ルーキーイヤーは右肘の状態も影響し、1軍登板なし。保存療法の選択肢もあったが、21年11月に右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。「高卒1年目だったら踏ん切りはつくかもしれないですけど、自分の場合は大学経由の社会人卒。一年一年が勝負なので、決断は難しかった。でも、ごまかしてやれる甘い世界ではないので、手術をすることに決めました」これまでも逆境を力に変えてきた。中大時代は3年春に左膝膝蓋(しつがい)骨を骨折。選手生命にかかわる大けがだったが、1年近くのリハビリを経て復活。だから今回も必ず―。「成長して戻るのは最低限だと思っていました」。1年以上のリハビリを経て、5月に実戦復帰。状態を上げて、2軍戦登板にたどり着いた。
大きく跳ぶためには大きくかがむ必要がある。この2年は大きくかがんだ時期だったのかもしれない。「今シーズンは残り少ないですけど、1試合ずつ大事に、最高のパフォーマンスをしていくだけです」。まだ26歳。本領発揮は、ここからに違いない。(巨人ファーム担当・宮内 孝太)
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