巨大な地下都市ともいえる、５００キロにも及ぶトンネルには、司令部をはじめとして発電施設や人質を収容する部屋など、戦いを続けるための必要なインフラがまるごと収められているといいます。そうした地下迷路を巧みに利用して作戦展開をするハマスに対して、イスラエルはいわば「地上にあぶりだす」作戦を仕掛けるともいわれています。
分厚いコンクリートを貫通する、バンカーバスターと呼ばれる兵器などを使用して、徹底して地下トンネルをつぶしながら、最終的には地下で待ち構えるハマスの兵士たちを追いつめ、地上に姿を現したところで一網打尽にするのです。私はガザを取材したことがありますが、人々は迷路のように入り組んだ街並みにぎっしりと文字通り肩を寄せ合うように住んでいて、ここにハマスの兵士がまぎれていても、その識別などは到底できないのが現実です。 無辜（むこ）の市民を人間の盾にしているハマスも卑劣きわまりないですが、アリの穴に爆弾をつめこむような無差別の攻撃もあきらかに人道的に問題があります。この憎しみの応酬を止めるすべがないのでしょうか。せめて人道的な支援が市民の手に行きわたるように、断固とした介入ができないものなのでしょうか。
そのカギはやはりアメリカが握っています。今アメリカの世論も変化してきています。若い世代ほどパレスチナ市民に同情的というデータもあります。バイデン政権のもう少し踏み込んだ停戦への交渉と、人道支援強化への働きかけが明確な結果をもたらすことを、本当に願います。（キャスター）
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