78年前、世界で初めて原子爆弾が投下された広島。ロシアが核で威嚇しながら、ウクライナを侵略し、核兵器の脅威が冷戦以来の高まりとなるなか、G7サミットが被爆地で開かれました。
もちろん、目的はそれだけではありません。ロシアに占領された地域の奥深くまで届く長距離ミサイルをイギリスから手に入れたウクライナ。しかし、これまで再三求めていながら、まだ提供されていないのがF16戦闘機です。 夕方、G7首脳は、世界遺産・厳島神社へ。夜は、夕食を取りながら議論を行いました。中国を含むインド太平洋情勢、そして、核軍縮・不拡散がテーマです。ただ、ロシアのウクライナ侵攻で核軍縮が遠のいていることは否定できません。フランス・マクロン大統領(芳名帳に寄せた言葉):「広島の犠牲者を記憶する義務に貢献し、平和に向けて行動することが私たちの責務だ」原爆資料館で首脳らと言葉を交わした被爆者の小倉桂子さん(85)です。
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【報ステ】「誰もが恐れてる」外国人客が涙“原爆の惨状”大越キャスターがみたG7広島G7広島サミットを19日に控えるなか、一足先に首脳外交が始まりました。舞台となる広島には、未明から各国首脳が続々と集結しています。 大越健介キャスター:「広島市中心部は、非常に厳重な警備体制が敷かれています。警備車両、あちらこちらに警察官の姿も見えます。特に午後から夕方にかけて、各国の首脳が到着する時間帯、警備が厳しくなっているように感じます」 まさに厳戒体制が敷かれ、陸・海・空から目を光らせます。そして午後5時過ぎ、アメリカのバイデン大統領が広島市内に到着しました。現職のアメリカ大統領が被爆地・広島を訪問するのは、オバマ元大統領以来、7年ぶりです。日米首脳会談は、1時間10分に及びました。 そして、19日に、各国首脳がそろって訪れるのが、広島原爆の惨状を伝える『原爆資料館』です。 大越健介キャスター:「厳重な警備が施されています。こちら、原爆資料館なんですが、普段はここガラス貼りなんですけど、白く覆われています」 サミットのため、原爆資料館は18日正午で、一般見学は締め切りに。その直前まで、各国の観光客が訪れていました。 大越健介キャスター:「何人かの外国人観光客の方に、お話を聞かせてもらえませんかと聞くんですが『ちょっとショックで心の準備ができていません』と答える人、涙ぐむ人、『今、私は言葉が見つかりません』という方もいらっしゃいました」 先月の来館者は16万2802人、そのうち外国人が9万464人と、約55%を占めています。 イラン人観光客:「感極まって涙が止まらず、泣きながら歩いていました。(Q.イランは核開発疑惑があるが、政府をどう評価する)政府と国民を分けて考えてほしい。政府は好き放題やるけど、私たちは違う。平和国家なんです」 台湾からの観光客:「こちらの資料館には、多くの戦争犠牲者について展示されていて、悲しい気持ちになりました。特に台湾は、中国に脅かされているので、戦争の恐怖を感じます」 オーストラリア人観光客:「(Q.広島でG7で開催される意義はなんだと思う)太平洋戦争の記憶が薄れつつある今こそ、世界の首脳陣が集まって、原爆投下という残虐な行為を忘れないようにすることが大事」 インド人観光客:「残念ながら、今の人類は過去から何も学んでいない。(Q.インドの核兵器政策をどう評価している)完全に廃絶すべき」 アメリカ人観光客:「(Q.広島でG7が開催される意義はなんだと思う)広島での開催は、アメリカ人にも原爆投下を連想しやすいし、バイデン大統領も広島を見て、原爆投下の影響を理解すべき。(G7が)広島で開かれてよかった」 【今、被爆者が伝えたい思い】 被爆地で行われる、初めてのG7サミット。その意義の大きさを、ひしひしと感じている人がいます。 原爆投下の時、森重昭さん(86)は8歳で、爆心地から約2.5キロの場所にいましたが、人の陰になっていたせいもあってか、やけどはしませんでした。 森さんは長年、原爆で亡くなった、旧日本軍捕虜のアメリカ兵について調査し、遺族に知らせる活動を続けてきました。 2016年、アメリカの現職大統領として、初めて広島を訪問したオバマ氏と直接、言葉を交わし、抱擁する姿は、世界に伝えられました。 大越健介キャスター:「7年経つが、世界は核兵器廃絶には、なかなか向かっていかない。ウクライナでああした戦争があって、ロシアは核を脅しに使っている」 森重昭さん:「長崎も広島も、一発の爆弾で全滅した。今度、戦争が起こったら、何十発どころか何百発の核と核がお互い応酬して、そうなるとどうなるか考えたら、戦争なんてできるわけがない」 大越健介キャスター:「今、世界の指導者たちは『お前のところもやるならやってみろ。俺のところだって核はあるぞ』と、核を持つことで、むしろ安心ということが当たり前の常識になっている。そこにあるのは怒りですか?悲しみですか?」 森重昭さん:「世界の為政者、国連も含めて、なかなか現実問題として、それを阻止する力をお持ちなんだろうかと。そういう人ができないんだったら、せめて広島を中心として、各国の国民が自分たちでやろう。為政者ができないんだったら、自分たちでやる以外ない。そこは悲しい。それをやるのが為政者じゃないかと」 そう嘆いたうえで、バイデン大統領には、こう呼び掛けました。 森重昭さん:「あなたは世界の運命を握っている人だから。あなた次第で将来、人類が生き延びるかどうか。戦争が起こらないことを強く願っている国民の1人として、あなたにお願いしたい。よろしくお願いしますと」 【“ヒロシマ”世界へ訴えかけるモノ】 広島にいる大越健介キャスターに聞きます。 (Q.広島で一日、取材をして、どのようなことを感じましたか) 大越健介キャスター:「被爆地である広島という場所が持つ、独特の“発信力”の強
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