「還暦」に至る歳月を支えてきたのは、味わい深い出演者の語りや島々の歌はもちろんのこと、放送を待ちわびるリスナーたちの熱い思いだ。日進月歩のデジタル時代だからこそ、変わらないことの価値、アナログなはがきがつなぐ双方向コミュニケーションの魅力が浮かび上がる。(デジタル編集部・新垣綾子)2月2日午後、沖縄県内の當山富美さん(98)宅。1時間の生放送の後半、ラジオの向こうでパーソナリティーにはがき投稿への感謝を伝えられると、富美さんは「あね!」と声を上げた。この日担当した島袋千恵美さん(47)と仲宗根創(はじめ)さん(34)は特に、當美さんのお気に入りのコンビ。紹介される自身の一文一文に笑いがこみ上げ、とにかくうれしそうだ。「2人とも、上手に読んでいるさ」頭にかぶっているのは、仲宗根さんから贈られたというあずき色の帽子だ。民謡歌手の仲宗根さんには、富美さんへの敬愛を込め「富美ばぁ」のタイトルが付いたポップス調の持ち歌もある。琉球放送によると、富美さんは番組の最高齢投稿者となる。はがきを出し始めたのは、数え97歳の「カジマヤ―」の年。それが縁で、実際の生年祝いには島袋さんや仲宗根さんら番組関係者
「父にとって『今日拝なびら』は心の慰めであり、三線の先生でした」と千亜希さん。我が子に「てぃんさぐぬ花」などを聴かせ、こう諭すこともあった。「沖縄には素晴らしい教訓歌がたくさんある。歌の通りに生きなさい」かつては「女が三線に触るなんてとんでもない」と昔かたぎな考えだった清さんも、バスガイドになった娘が沖縄の文化や音楽への興味を深め三線を手にすると、何も言わず応援してくれた。千亜希さんは今では琉球民謡の教師免許を持ち、バスガイド仲間でつくる三線グループ「うたばす」の一員としてさまざまなステージもこなす。父がそうだったように、番組は日常に溶け込んできた。「民謡やウチナーグチの奥深さを教え続けてくれる。番組での学びを多くの人に発信できる一人になりたい」と誓う。当初は「お国言葉で今日拝なびら」の名称で、大宜見小太郎さん、照屋林助さん、高安六郎さん、北島角子さん(いずれも故人)ら沖縄の芝居役者や民謡歌手など6人が日替わりで担当。うちなーぐちのコントを中心とした20分の生放送だった。当時の沖縄は米軍統治下にあった。63年の象徴的な出来事といえば、沖縄統治の最高責任者だったキャラウェイ高等弁務官が、
「本来なら接する機会がない沖縄芸能のスターたちが、自分の名前を呼び、曲をかけてくれる双方向性で、さらに熱いファンになる。今で言う『推し活』の原点がこの番組にあるのではないか。積み重ねた放送回数を含め、一地方でこれだけの長寿番組はなかなかなく、民謡が生活に濃厚に染み込んだ沖縄だからこそ成せる業だと思う」番組パーソナリティー最後の出演で、歌声を披露する八木政男さん(前列右)。上原直彦さん(同左)ら出演者も駆け付け、長年の貢献をたたえた=2020年3月31日、那覇市久茂地・琉球放送14年からパーソナリティを担う島袋千恵美さんは「初めは全くうちなーぐちが話せなかった。金曜日の担当だったので、直彦さんには『スリルとサスペンスの金曜日』と言われるぐらい」と苦笑する。
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