7スイングで15本のサク越え。「状態は上がってきています。試合で戦えるくらいにはなっています」と自信を口にした。優勝した過去の決勝Rでは福留(06年)やイチロー(09年)が不振から復活。3大会ぶりの世界一へ、村上が救世主になる。
気温25度を超える温暖な気候の中、村上が美しい放物線を描いた。マイアミの青空へ舞い上がった白球は次々とフェンスを越えていった。渡米後初の全体練習でのフリー打撃。ヌートバーと同組で37スイングで実に15本のサク越えを放ち、最後の3スイングは中堅方向への3連発で締めた。力強い言葉に復調の実感がこもった。1次Rでは4試合全てに4番で出場したが、開幕から14打席無安打など14打数2安打の1割4分3厘と低迷。12日までの1次R後、14日のフリー打撃では右中間への看板直撃弾を含む7本のサク越えを放ったが「(状態は)普通。マックスってことはない」と話す程度で復活の手応えを感じられずにいた。懸命な調整の末、16日の準々決勝・イタリア戦では今大会初適時打。今大会中になかった「戦える」という表現は、納得の状態で打席に立つ準備が整ったことを表している。
心身両面で着々と準備を進めている。前日17日(日本時間18日)には、準決勝以降の舞台、ローンデポ・パークで準々決勝・メキシコ―プエルトリコ戦を観戦。ラテン系の独特な応援に触れ、「球場の雰囲気を少し味わっておきたいという思いもあった。すごく楽しそうな雰囲気を感じた」と予習はバッチリだ。19日(同20日)の同球場での公式練習では「いろんなことをしっかり確認したい」と最善の準備を施し、準決勝のメキシコ戦に臨む。 日本が連覇した第1回(06年)、第2回(09年)のWBCでは、大会中スランプに苦しんだ選手が決勝Rで大仕事を果たしてきた。06年は韓国との準決勝で、不振で先発落ちした福留が代打で決勝2ラン。09年は不振だったイチローが、韓国との決勝戦の延長10回に中前へ決勝2点打を放った。
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