すでに14日目、貴乃花は7度目の優勝を決めていた時点で横綱昇進が確実視されていたが、「いい相撲でした。良かったです。ホッとしてるし、苦しかった。(昇進は)最後まで分からない」と口を濁した。というのも、同年秋場所後の苦い思いがあったからだ。
この年、貴乃花は夏場所を14勝1敗で制しながら、翌名古屋は11勝4敗に終わり、綱取りは振り出しに戻ったはずだった。だが、秋場所で貴乃花が白星を重ねていくと、横綱は曙一人だったこともあり、昇進への機運が少しずつ高まった。 その秋の全勝Vを受けて、日本相撲協会審判部は千秋楽の打ち出し後、出羽海理事長(元横綱・佐田の山)に貴乃花の横綱昇進を審議する理事会の招集を要請、昇進は決定的とみられた。しかし、協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の翌日の会合では「2場所連続優勝かそれに準ずる成績」ではないと反対する意見も。異例ともいえる2時間超の議論の末、内規である3分の2以上の賛成を得られず、昇進は見送られていた。当時、スポーツ報知の大相撲担当キャップだった秋本正己記者は、秋場所後の巡業で貴乃花と話したことを今も覚えている。「『横審の委員の人たちを見返してやりますよ』と言って、その通りになったんです」
秋場所後、しこ名にどっしりとした感じを出そうと「貴ノ花」から「貴乃花」と改名したのは、横綱への決意の表れもあったのだろう。11月23日の昇進伝達式の口上は「力士として相撲道に不惜身命(ふしゃくしんみょう)を貫く所存でございます」。身も命も惜しまず、相撲にささげる。式直後、「不惜身命」と記してくれた“横綱初サイン”を、秋本記者は今も大事にしている。(久浦 真一)
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