試合のなかった前日14日に、世界ランキングにより五輪切符獲得圏内に入ることが確定。パリ行きを決めてから初めての試合で、本番でも相まみえる可能性がある相手に完勝した。主将の 古賀紗理那 (28=NEC)は、ファンへ喜びと感謝を伝えた。これでネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド(R)7位以内に入り、ファイナルR(20日開幕、バンコク)出場も決まった。16日は予選R最終戦で、21年東京五輪金メダルの米国と対戦する。「やったぜー!」。古賀は酷使した喉をふるわせ、コートからファンに五輪出場の喜びを伝えた。そして冷静に「全員で勝ち取った出場権。パリで成長した姿を見せられるように頑張りたい」と、本番を見据えて口元を引き締めた。
切符獲得の知らせが届いたのは前日14日。13日の全試合終了後の世界ランキングにより、残り試合の結果にかかわらず出場圏内に入ることが確定した。試合のなかった日にパリ行きが決まる異例の形。1日遅れとはなったが、7678人の観客の前で報告をかなえ「日本で決めることができてうれしい」と笑顔でかみしめた。 パリ出場権奪取を第一目標に臨んできたVNL。主将は「古賀紗理那史上、一番必死だった」とうなずいて、続けた。「楽しかった。成長しているな、って思えた」。五輪6大会連続出場がかかる大会。「当然、プレッシャーもある」と重圧を隠さなかったが、胸には「これだけ練習したんだから」という確固たる自信があった。前だけ見据えて汗を流し続けてきたからこそ、不安はなかった。
その言葉通り、この日も笑顔でチームを鼓舞し、得点ごとに手を振り上げた。もちろんプレーでも、エースとしてチーム2位の14得点をマーク。代表主将3季目にして「私のプレーにフォーカスして、キャプテンを意識せずに過ごしていた」と言えた。一皮むけたその姿に、真鍋監督も「役割は人間を成長させた。よくまとめてくれた」と感謝した。 セルビアは控えメンバー主体だったが、五輪で対戦する可能性がある相手に快勝。16日の予選R最終戦は、こちらもパリで対するかもしれない米国と顔を合わせる。本番に向けて重要な戦いとなるが、古賀は「楽しんで戦いたい」と、笑みを交えて言った。笑顔は決して過信ではない。五輪前、日本での最後の一戦。チームの成長を実感する主将のもと、若手からベテランまでが一枚岩となって弾みをつける。【竹本穂乃加】
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