【ダニーの食読草紙】苦沙弥先生の好物つまみに名作を

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【ダニーの食読草紙】苦沙弥先生の好物つまみに名作を 今回は「吾輩」の飼い主である珍野苦沙弥(ちんのくしゃみ)先生の食を追いたい。

「吾輩は猫である」は文豪・夏目漱石のデビュー作にして代表作の一つである。名前のない猫「吾輩」の軽妙にして斬新な語りが記憶にある方も多いだろう。猫の視点から人々の日常が面白く描写され、古典にもかかわらずすらすらと読むことができる。主人公の「吾輩」は好奇心が強く、来客や飼い主が残した物を失敬することもあるが、いかんせん猫の食事であるため、あまり人間が食欲をそそられるものではない。今回は「吾輩」の飼い主である珍野苦沙弥(ちんのくしゃみ)先生の食を追いたい。

中学校の英語教師にして、読書を趣味とする苦沙弥先生は大変な甘党である。空也餅に始まり、来客のたびに甘い菓子をつまむ。ジャムを1カ月に8瓶消費しては怒られ、また学生の頃は毎晩汁粉を食べていたというエピソードも披露される。果てには「吾輩」に送られてきた吉備団子(きびだんご)を黙って全部平らげてしまうくらいに食い意地が張っている。 苦沙弥先生は職も趣味も学問に関わっており、また学者との付き合いも多いという謹厳実直の士であるような振る舞いをしつつ、その実は益体(やくたい)もない話を好み、また本を読むと見せかけては寝てしまっているようなコミカルな人物である。残念ながら閉店などで入手不可能な菓子もあるが、現在でも作中の菓子のいくつかは味わうことができる。菓子をつまみながら、名作を読み直すのもなかなか乙なものではないだろうか。 (将棋棋士 糸谷哲郎八段)

 

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