験したことを糧に、今夏こそ日本一を狙う。これで出場した東北勢3校は全て姿を消した。
最後まで歯車がかみ合わないまま、青森山田のセンバツが幕を閉じた。安打数は相手を2本上回る11本を放った。毎回走者を出し、6回以外はすべて得点圏まで進めながら、得点は2点のみに終わり敗退。「あと一歩まで攻めたが、相手投手の気迫や守備力にうまく阻まれてしまった」と兜森崇朗監督(44)は悔やみ、7番・捕手の橋場公祐主将(3年)は「チャンスをつくりながら一本出し切れなかったのが敗因」と唇をかんだ。 攻守ともに、記録に残らない“ミス”が響いた。打撃ではバントを試みるもファウルにしたり、内野ゴロで走者を進められない場面が散見。試合前にカギになると話していた細かい部分を徹底できず、指揮官も「打撃の質(の向上)は持ち越しになる」と課題を口にした。守備でも2回、同点に追いつかれ、なお2死一、二塁の場面。左翼線に上がった飛球に左翼手が突っ込むも、打球を後ろにそらす形になり2点を失った(記録は二塁打)。「難しい打球を捕りきれるかが勝敗を分けると思っていた。その部分はこれから」とこちらも夏に向けて鍛えていくつもりだ。
今大会は1、2回戦と2戦連続でサヨナラ勝ち。この日も4点を追う9回1死一塁で、木製バットを使う5番・吉川勇大遊撃手(3年)が左中間を破る適時二塁打。反撃ムードをつくるなど、持ち前の粘り強さは全国の舞台でも十分に通用した。兜森監督は「2つ勝てて選手は自信になったと思う」。橋場主将は「守備でリズムをつくったり、粘り強さは通用した。継続してレベルアップさせていきたい」と前を向いた。敗戦の悔しさと聖地でつかんだ自信を胸に、成長を遂げた姿で夏にまた戻ってくる。(有吉 広紀)★青森山田・関浩一郎投手(3年。2回戦は救援で5失点もこの日は5回2/3を投げて無失点)「これ以上点をやらないと思って投げた。(失点)ゼロに抑えられてよかった」
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