ブラウジングの際などのスクロールに対して、画面の動きをしっかり追従させるような改善を加えたことで、動作がなめらかになりました。ディスプレイのリフレッシュレートを上げるといった、分かりやすいバージョンアップではありませんが、使い勝手を地味によくしていると言えるでしょう。元々のバージョンでは、切り替えが設定メニューの中にあったため、インカメラが呼び出しにくかったのが難点。その意味では、カメラのアップデートも体験価値を向上させる取り組みの1つと言えます。低照度での画質も向上させました。ほかにも、壁紙を追加するなど、トータルで端末の体験価値が上がるようなアップデートを施しています。バルミューダのITプロダクツ本部、本部長の一之瀬春人氏によると、発売時点からすでに「100以上の項目を改善している」といいます。グラデーションのような淡い色合いの壁紙を追加
また、冒頭で述べたように、今後はAndroid 12へのアップデートも予定しています。一之瀬氏によると、「BALMUDA Phoneのい良さを生かしつつ、Android 12ならではのものを取り入れていきたい」といいます。 Android 12では、プライバシーに関する設定を一元管理するプライバシーダッシュボードが導入されたほか、表示中のアプリなどの画面をスクロールさせてスクリーンショットを取る機能や、端末の壁紙に合わせて一部のアイコンの色を自動で変える「Material You」が利用できます。こうした機能の一部が、BALMUDA Phoneでも利用可能になるのかもしれません。反響自体は大きく、知名度を一気に上げた一方で、スペックに対する価格の高さや、スマホ市場のトレンドと合致していなかったコンパクトなボディやデザインに対しては、大きな逆風が吹いていたのも事実です。筆者も、バルミューダの目指す体験価値がイマイチ伝わりづらかったことは、過去に指摘しています。
これに対し、バルミューダは3月にBALMUDA Phoneを値下げし、当初は10万4800円だった価格を7万8000円に改めています。また同時期に、BALMUDA Phoneの売りの1つであるスケジューラーをGoogle Playに公開。他社のAndroidスマホを利用するユーザーも、BALMUDA Phoneの目指す世界観の一部に触れられるようにするなど、市場の期待にフィットさせるような取り組みを継続しています。 ソフトウェアのアップデートも含め、こうした改善の数々は、将来投入されるであろう「BALMUDA Phone 2」の開発にも生きてくるはずです。話題性や知名度の高さの裏返しとして、嵐のような逆風が吹き荒れてしまった初代BALMUDA Phoneですが、地道なアップデートによってファンを増やせるかは注目しておきたいポイントと言えます。
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