私はああいう形でタイトルに戻ると思っていなかったんです。オンエアが始まる前は皆さん「どんな話なんだろう?」って不思議だったと思います。第1話を見て、きっと「ああ任侠ものなんだ」と気づき、抗争を通して暴力的な要素を感じていたと思うんですけど、メイドとしての戦い方をなごみが提示して。最終話で本当の意味での“メイド戦争”を仕掛ける。それがこのタイトルに込められていたんだと、私自身もハッとさせられました。
なごみは忍者になったり、黒豚になってみたりといろいろありますけど(笑)、ブレないものがずっとあって。彼女のブレなさがあのライブシーンに表れていたと思います。彼女が目指したメイドとして在り続ける。それが彼女の覚悟。そんななごみの姿を見て、とんとことんのメンバーたちも泣いていましたけど、完成した本編を見て私自身も泣けてしまいました。でも、この感動ってなんなんだろう?って(笑)。今までになかった感覚でした。生き様をそこに投げうって、歌い続けている。自分の仕事をまっとうし続けている。伝え続けている。それがかっこよくて泣けたのかなと。いろいろな気持ちが溢れました。ある意味、凪さんの心も揺さぶったと思います。みんなの心に届いている姿を見て「いいシーンだな」って思いました。最終回を作るのって本当に難しいと思うんです。私は作っている側の気持ちばかり考えてしまいました。でも彩陽ちゃんの言う通り、いい感じにタイトルに繋がって、最後には希望も見せてくれる。ファン(青田・緑川)は20年近く推してくれているわけですし(笑)。推してくれていました(笑)。私は最終話の感想は言葉に表しにくいんですけど……第1話の段階
でもなごみが「脅したり!殴ったり!殺したりして楽しいか!?」「皆を怖がらせて楽しいか!?」って言い聞かせるシーンで、きっとみんなハッと気付かされて。良心の呵責と言いますか。今までもなごみは「もっと萌え萌えキュンキュンしろよ」って言葉でその思いをぶつけてきたけど、最終回では「自分がやってみせればいいんだ」とメイドとしての姿を見せつける。 きっと凪さんも納得した部分があったけど「なんでなごみにそんなこと言われなきゃいけないんだ」って気持ちが勝ってしまって……ああいうことに。でもなごみがブレずにいてくれたことが嬉しかったし、そのおかげで、みんながメイドになったなって思いました。衝撃的な抗争を繰り広げてきたからみんなで嵐子の敵を討つんだなって思っていて、そしたらこういう展開になって。「なるほど、私は浅はかだったな」って思いました(笑)。嵐子さんの「可愛いメイドに…」「もっと…皆と…メイドしてたいな…」という最後の言葉をなごみもずっと覚えていたのかなって。
なごみがその言葉を胸にメイド魂のようなものを貫き通してくれたからこそ、とんとことんが革命を起こして、平和なメイドの世界になったのかなって思いました。12話をかけて、みんなをずっとずっと説得していたのが形になって。「人の生き様ってこういうことか。本当に素敵な話だな」って自分が教えてもらったような気持ちでした。ねるらちゃんが「この子(なごみ)はアキバを変えてくれる」って予測していましたが、ここに繋がるんだ!ってホッとしました。最終話を迎えた今、そのことは忘れられているかもしれないけど、繰り返して見ると、先見の明があったんだろうなって。
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