9年越しって、私もなんだかんだこの業界にいますけど聞いたことがなかったんです。リメイクとかではなく続きですし。当時、ものすごい熱量で作品やみんなと関わっていたので、もちろんずっと第2期を熱望していたんです。
ただ、アニメーションは難しいのかなって、みんなどこかでちゃんと思ってはいて……。それでも思いは汲んでくださっていて、ドラマCDをやらせていただいたり、終わったあとも配信をやらせていただいたり、続けようとしてくれていた気持ちはわかっていたんです。そうなんですよね。第2期のハードルがどれだけ高いものかというのもわかっていたからこそ、第2期はないものと捉えて生活していたんですね。だから聞いたときは青天の霹靂でした。発表イベントのときも、ゲームの発表か何かだろうと、そういう思い込みで自分に暗示をかけてしまうくらいでしたから。 だから裏で動いてくださっていたスタッフさんには感謝するしかないんですけど、それを隠せていたのもすごいな！って思いました。何も漏れ聞こえて来なかったですから。でも、この作品を続けるんだ！という、スタッフさんの気合いはものすごく感じています。めちゃくちゃ仲が良かったんですよ。今、このメンバーを見ると「何でなの？」ってちょっと思うんですけど。作品を当時一緒に録っていて楽しかったからというのもあるけど、それだけではないというか……言葉にするとすごく難しいんですよね。
でも間違いなく楽しくて、「アドリブでここを入れてみて」とか。台本のセリフだけではないものも自分たちで作り上げていくみたいな、一緒に作っている感じがあったんです。それに付属モノも多くて、ラジオをやるとか取材があるとか、撮影をするとか、遊びに行くとか。そのたびにみんなでご飯を食べて。でも、そういう作品っていっぱいあるから、それだけでもないような気がするんです。みんなそれぞれ個々なんですけど、『はたらく魔王さま！』という作品を介すると家族になるというか。最後のイベントがあったんですけど、みんな作品が大好き過ぎて、「終わりたくない！」「帰りたくない！」って泣いて、その場から動かないみたいな。今思うと凄いイベントだなって思いますけど、特に女性陣がすごかったんです。そのくらい心に残っている作品なんです。
東山奈央ちゃんもまだ出始めたときで、深く作品に関わったりする前だったし、私も20代で忙しすぎて、何をやっているかわからないで、そのときの唯一の癒やしというか、帰れる場所みたいなイメージがあって、思い入れがすごく強かったんです。だから時期とかタイミングもあったのかもしれないですね。
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