本作「ガンパレ」は、ひと言でジャンルを説明するのが非常に難しいタイトルだ。一応は学園(……と言っていいだろう。実際は某女子校の校庭に間借りしたプレハブの校舎だが)を舞台にしたシミュレーションゲームといういうことになっている。だがRPG的な要素もあるし、アドベンチャーゲーム的な部分もある。さらには恋愛ゲームの要素すら存在しているのだ。こう書くと雑多なゲームのような印象を受けるが、これが奇跡のような絶妙なバランスで成り立っているのである。1945年、突如空に“黒い月”が出現。それと共に表れた“幻獣(※)”が人類に対して侵攻を開始する。人類は大戦を中断して団結し、共通の敵である幻獣との戦いに突入した。そして50年後。すでにユーラシア大陸は完全に放棄され、人類の生存圏は南北アメリカ大陸の一部と南アフリカのわずかな地域、そして極東の島国である日本を残すのみとなっていた。
※幻獣……突如現れた人類の天敵。1メートルほどの小型のものから数10メートルの大型種までさまざまな形態のものが存在するが、赤い目、口が存在しないなどの共通点がある。幻獣が制圧した地域は急速に自然が回復するなど、謎も多い1999年、日本国国会において2つの法案が可決。1つは熊本要塞を中心とした防衛ラインの設置。もう1つは、少年兵の強制招集である。徴兵規定年齢に達しない14~17歳の子どもたちが、学籍を残したまま学兵として熊本へ約10万人が集められた。要するに体勢を立て直すまでの時間稼ぎであり、つまりは“捨て駒”である。……何とも絶望的な状況下でゲームがスタートする。学園もののゲームで、これほどまでに悲惨な背景を持つ作品が当時他にあっただろうか?...
通常、ゲームの主人公と言えばヒーローなり英雄であるのが常である。例えそういった立場にない一般人であっても、英雄的な行動のすえに多くの人々から称えられたり、物語の途中で隠された重大な過去が判明したり、あるいは秘められた能力が開花したりするものだ。だが、本作においてそのような法則は当てはまらない。プレイの仕方によって、ヒーローにもなれれば無名の学兵で終わることもある。その選択肢の幅(=自由度)はかなり異例だ。 例えば、一応の主人公である速水は当初、人型戦車である士魂号復座型のパイロットとして着任する。他のクラスメイトたちも整備士であったり事務官であったり、スカウト(歩兵)だったり司令官だったりと、それぞれ役職に就いている。これらの人員配置は自分を含めて、ある程度の条件が必要とはいえほぼ自由に変更することが出来る。……要するに、物語の花形であるパイロットから退いて、気が向けば1人の整備士としてエンディングを迎えることなども可能となっている。士魂号1番機パイロット、壬生屋未央。武芸に長け、天性の才能を持つ大和撫子。世間知らずで男に免疫がないが、本人は自分のことを大人のお姉さんだと思っている整備士などの非戦闘員になれば、幻獣との戦闘が発生しても戦場へ赴くことはない。クラスメイトたちが戦ったすえの結果をただ待つことしか出来ないのだ。ゲームの要とも言える戦闘シーンに参加せずにストーリーが進行するなんて、つまらないんじゃないだろうか……と思うかも知れない。しかし、「俺の腕で士魂号を最高の状態で出撃させてやるぜ!」と、整備士には整備士なりの、そしてそれ以外の役職にもそれぞれの役職ごとの、やりがいというもの
日本 最新ニュース, 日本 見出し
Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。
ソース: gamespark - 🏆 42. / 63 続きを読む »
ソース: gamespark - 🏆 42. / 63 続きを読む »