TBS系で1995年（平7）から1年、放送されたドラマ「3年B組金八先生」第4シリーズに出演した松下恵（43）が11日、ブログを更新。前日10日に老衰のため94歳で亡くなったことが分かった、シリーズの脚本を務めた脚本家の小山内美江子さん（本名＝笹平美江子、ささひら・みえこ）への追悼のコメントを発表した。
松下は「3年B組金八先生」第4シリーズで、クラスの誰にも優しく接する、気立てが良く美人のヒロイン的な役どころとなった、学級委員の伊丸岡ルミを演じた。最も成績が良い日下信二（小野寺行哉）が受験のプレッシャーからパニックに陥った際、手を握ったことで信二から「心の母」と呼ばれた第14話「オ受験親子の対決」はシリーズの中でも人気回となった。 松下は「小学生のころから『おせっかいおばさん』というあだ名がつくほど周りの子たちの世話を焼くのが好きだった。中学に入り、奇跡のように受かったオーディション。『3年B組金八先生』で学級委員を演じさせていただくことになった」と出演の経緯を振り返った。そして「他の生徒と比べたらおとなしく地味で印象に残らないタイプだったと思う。あるとき、緑山スタジオのお手洗いで撮影を見にいらしていた小山内先生と、二人きりになった。緊張していたので、言葉も見つからずわたしはとにかく笑顔で取り繕ったのを覚えている」と、小山内さんとの初対面を振り返った。
松下は「そのときに先生が私を見つめていた目を今でも、忘れられない。その人の本質を見抜くようなすべてを見透かしているような魂を持って行かれそうに興味深いまなざしで、私のことをじっと見ていた。それから、しばらくして受け取った台本が第14話『オ受験親子の対決』だった」と振り返った。「自分でも自分のことがわからない不安でいっぱいの子供たちが心の奥に隠しているものを魔法のように感じ取ってキャラクターに落とし込んでしまう それが、小山内先生だった。『心の母』という役柄はまるで私、そのものだったから。伊丸岡ルミなのか、松下恵なのか違いさえわからずに、演じていた。」と、自らの人間性、キャラクターを小山内さんが脚本に落とし込んだであろうと、当時を思い返した。
中学時代に「3年B組金八先生」に出演した松下も、43歳になった。「あれから28年が経ち今もなお、わたしはその延長にいてお節介おばさんをしている。母になることはなかったけれど誰かをやさしく包み込めるような『心の母』でいたい、と思っている。きっとそれが、私の生き方。小山内先生が教えてくれた私の在り方、だと感じているから」と、人生の一端を小山内さんに導かれたと示唆。「私の人生を導いてくださった先生に心から、感謝をしています。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします」と、感謝と追悼の言葉で締めた。
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