背番号「132」は「61」に変更され、開幕1軍メンバーにも入ったが、人なつっこい笑顔でまだ実感がないと口にする。ただ、直近の目標がある。「何とか、仙台で、いいプレーをしたいんです。一発とかじゃなく、まずは出たいんです」と熱望した。
北海道の最南端にある松前町出身。「松前漬」で有名な港町で生まれ、両親は「漁師ではないです」とは言うが同町に住む。1軍に同行し続ければ、日本ハム戦で北広島市のエスコンフィールド北海道に行ける。ただ、松前町から同市まで車で約6時間。同町からは仙台市の方が新幹線などで4時間と近い。支配下登録を伝える際に、両親にも言われた。実際に開幕3カード目、4月5日からの楽天3連戦(楽天モバイル)で家族は観戦ツアーを企画中だという。さらに宮城県では、大学4年間を過ごした。仙台大で2年秋に打率、打点、3年秋に本塁打、打点の2冠。「プロを意識した時期でしたし、友達も多いんです」。21年育成2位で入団後、正式にプロ選手となった勇姿を見せる気は満々。“友斗応援団”に応えよう。士気は高まるばかりだ。
29日の開幕オリックス戦からアピールを狙うが、仙台デビュー前の好材料として意外性のある男として評価が高い。北海高では、2年夏の甲子園で2試合連続本塁打などで準優勝に貢献。現在のサイズは1メートル81、88キロ。サイズ的にも長打力が自慢なのは分かるのだが、巨体ながら走塁の思い切りの良さも買われている。「このガタイで走れたら、面白くないですか。油断してたらスっと行きます」。川村は、ふざけつつも常に企図、成功を狙って準備している。 隠れ快足に加えて強肩、堅守も武器。今季の開幕後は主に代走からの途中出場、守備固めとしての起用が濃厚だが、攻守で流れを変える役割を担う。「緊張はするかもしれませんが、何とかできることを。ただ実感がないまま行った方がいいかも」。気が付けば、4月上旬にきっちりと仙台市に到着。まずは、川村の理想だ。(記者コラム・井上満夫)
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