「東洋のマンチェスター」の栄華伝える 大阪城天守閣上回る資金投入 渋沢栄一も名誉顧問に 大大阪 モダン建築を歩く㊦ 綿業会館(1931年)

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今年7月から新一万円札の顔になる実業家、渋沢栄一。500社以上の企業の創立に関わり、「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢が設立に尽力した企業のひとつが、明治15…

今年7月から新一万円札の顔になる実業家、渋沢栄一。500社以上の企業の創立に関わり、「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢が設立に尽力した企業のひとつが、明治15(1882)年に誕生した大阪紡績(現・東洋紡)だ。近代的設備を取り入れ、大量生産を実現した大阪紡績の成功は後発の紡績会社設立の呼び水となり、紡績業を中心とした繊維産業が勃興。大阪は「東洋のマンチェスター」と呼ばれる工業都市へと発展した。繊維業が集積した大阪・船場の地に残る俱楽部建築、綿業会館は、そんな「糸へんの街」大阪のパワーを今に伝える。御堂筋と堺筋の間に位置し、心斎橋と中之島を南北につなぐ三休橋筋(さんきゅうばしすじ)。電線が地中化され、ガス灯が並ぶ筋に沿っていくつかの近代建築が残り、レトロな雰囲気を楽しむことができる。中でも綿業会館は、三休橋筋を代表する建物だ。茶色の壁面タイルと1階部分の石張りが特徴的な外観はクラシカルな印象を与えるが、竣工したのは昭和6(1931)年。すでに現代にも通じるモダニズム建築が現れ始めた時期であり、当時の感覚からしても少し古風な建物であったようだ。

「歴史を感じさせる仕上げを工夫し、昔からあるかのような印象を与えることが俱楽部建築では求められていた」と大阪公立大の倉方俊輔教授は語る。時代が昭和となっても、歴史と品格をあわせもつ俱楽部建築の伝統を綿業会館は受け継いでいたのだ。綿業会館誕生のきっかけをつくったのは、東洋紡績(現・東洋紡)専務、岡常夫だ。昭和2年に死去するが、綿業関係者が集える俱楽部を設立したいという遺志によって翌3年に100万円(当時)が寄付され、俱楽部の拠点となる綿業会館建設に向けた動きが始まった。同年、母体となる日本綿業俱楽部が発足。紡績業発展に貢献した渋沢も名誉顧問として迎えられた。業界関係者からの寄付も加え、最終的には150万円の建設資金が用意されたという。

『日本綿業俱楽部五十年誌』によると、会館建築費に70万円、室内備品代に21万円を費やしたとある。これは同じ年に完成した大阪城天守閣の再建費用(47万円)をはるかに上回る。大阪のシンボルをしのぐ費用を惜しみなく投じた繊維業界の繁栄ぶりをうかがわせる逸話だ。

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