祭りが行われる津嶋神社は「遥拝殿」こそ駅に隣接していますが、本殿は瀬戸内海を挟んだ200mほど先の離島「津島」にあります。約5万人が訪れるという夏季大祭の期間中だけ、通常は渡ることができない橋を渡り、本殿への参拝が可能になるのです。
この夏季大祭は2020年、2021年とも新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止。2022年の祭りの開催に合わせた駅営業は、2019年8月5日以来、約1000日ぶりとなりました。年間2日間しか乗降できない駅と、祭りの期間中しか渡れない海上にかかる橋、そしてお祭りの様子を見てみましょう。津島ノ宮駅は年間たった2日間しか営業しないにもかかわらず、多い年で利用者は約8000人ほど。とはいえ2022年はコロナ禍で参拝客数も減少し、利用客は5000人程度と見込まれていたとか。それでも多くの人々が利用することに変わりなく、営業前日からJR関係者が設備の確認を行い、OBの方々も地域と協力し、周辺の草刈りなどに汗を流していたそうです。
そして当日は列車の停車が始まる1時間前から、数える限りで20~30人ほどの社員が集結。ふだんは厳重に閉鎖されている津島ノ宮駅の駅舎横の小窓が開き、臨時のきっぷ売り場や総合案内所、駅スタンプが次々と設置されていきました。 また広いホームの隅では、JR四国OBが屋台を出し、冷たい飲み物のほか同社キャラクター「れっちゃくん」グッズ、鉄道用品、玩具などを販売。この駅は参拝客のみならず鉄道ファンの利用も多く、屋台横に設置された休憩所のテント下で涼み、こまめにクールダウンしつつ撮影を行う人々も多く見られました。
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