十五秒分ぐらいを作ってみたのだが、とてもじゃないが金がもたない。8ミリでもだめで、16ミリだといよいよダメだとわかった。アニメーションを作るには金がかかる、という現実に気づいた。それまではひとりきりで作る気でいた。だが、これは大仕事なんだと知り、呆然としてしまった。」(同書)このようにアニメに強い関心を持っていた松本だから、『宇宙戦艦ヤマト』の企画に美術(プロダクションデザイン全般)で声がかかった時に、ぐっと前のめりになったことも頷ける。そしてこの後、1976年に松本は東映動画から『ダンガードA』のオファーを受ける。東映動画は『西遊記』の時に手塚に声をかけたことから始まり、石森(石ノ森)を経て、永井豪と『デビルマン』『マジンガーZ』という大きなヒットを生み出していた。これには漫画家をクリエイティブの柱として招聘(しょうへい)することで、魅力的な作品を作り出そうという発想があった。松本の『ダンガードA』は永井の関わった『UFOロボ...
もしリアリズムが広がるのが遅かったら、“松本アニメ”が現在のアニメのベースになっていただろうか? それはそれでありえないようにも思う。漫画を読めばわかる通り松本作品はかなり個性的で、誰にも真似できるものではない(パロディにはできても)。そういう意味で、その魅力は本質的にマイナー指向なものだといえる。 たまたまいくつかの条件が重なった結果、アニメ化作品が1977年からの数年間に圧倒的なポピュラリティを得たが、どこかでブームが落ち着けば、また“個性的な作品”というポジションに自然と落ち着いたのではないだろうか。こうして考えてみると“松本アニメ”は一定の世代にとって、強烈に出会いそして静かに別れてしまった存在で、それはつまり『999』のメーテルのような“青春の幻影”ではなかったか、という気もするのだった。甘く苦い“初恋”の記憶が蘇るような、そんな訃報であった。1968年生まれ。静岡県出身。アニメ評論家。主な著書に『「アニメ評論家」宣言』、『チャンネルはいつもアニメ ゼロ年代アニメ時評』、『声優語 ~アニメに命を吹き込むプロフェッショナル~ 』、『プロフェッショナル13人が語る わたしの声優道』、『ぼくらがアニメを見る理由...
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