1997年創業の同社は事業拡大で人手が不足し、2005年に定年制を廃止しました。希望すれば何歳でも働くことができます。最高齢の社員は87歳で、中途採用でも60歳以上の人が月に5人ほど応募してくるそうです。親会社の人材事業部の森美和子さん(39)は「生き生きと働く高齢社員の姿を見て、若手も刺激を受けている」と話します。301人以上の企業では0・7%とごくわずかですが、ファスナーやサッシで知られる社員4万人超のYKKグループは、21年度に国内事業会社の定年制を廃止しました。会社の求める役割を果たせる人であれば、年齢にかかわらず正社員として雇用しています。
人事部長の寺田創さん(54)は「スキル伝承の観点で、ベテランが残ってくれるメリットは大きい」と話します。子会社のYKKAPで40年以上、生産現場で金型を管理する仕事を続けてきた谷井哲夫さん(65)は、この制度で働き続ける一人で、「手順書では分からない技術やノウハウを伝えていきたい」と言います。定年制は、米国で「年齢による差別」と考えられており、法律で禁じられています。欧州でも多くの国で廃止されており、今も維持しているのは日本や韓国などアジアの国が中心です。 経済協力開発機構(OECD)は1月、日本に定年制の廃止を提言しました。定年制を終身雇用などとともに「日本の伝統的な労働モデル」と位置づけ、「高齢者や女性の雇用、労働力の流動性を阻害している」と結論づけました。
人口減少が続く中で、定年制を廃止すれば「雇用が増え、女性や若年労働者にも利益をもたらす可能性がある」とも指摘しており、マティアス・コーマン事務総長は「縮小する労働力を有効活用することは、日本の課題に対処するカギになる」と話しています。近代産業で記録が残る日本最古の定年制度は、1887年(明治20年)に海軍の火薬製造所が定めた規定だと言われています。退職の年齢を55歳とし、それまでの雇用を約束することで、工員が引き抜かれるのを防ぐ狙いがあったようです。その後、「55歳定年」は、造船業界などの民間企業にも慣行として広がっていきました。 日本人の平均寿命の延びもあり、政府は1970年代半ばから定年を引き上げる施策を進めてきました。86年には「60歳定年」が企業の努力義務となり、98年の改正高年齢者雇用安定法の施行で60歳定年が義務づけられました。この結果、現在は65歳を定年とする企業が徐々に増えています。厚生労働省の23年の調査では、定年を65歳以上とする企業は、全体の26.9%を占めるまでになっています。ニッセイ基礎研究所の金明中・上席研究員は「現在の労働力不足もあり、将来的には65歳定年の義務化が検討される可能性がある」と指摘します。何歳まで、どのように働くか。企業や働き手が共に考えていく必要があるでしょう。(経済部...
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