アンダーソン氏は、人からはよく変わった映画だと言われたり、登場するキャラクターも奇妙だと言われることが多いようですが、彼がこれまでに作った映画のほぼすべてのキャラクターは、実生活の誰かに基づいて作られているそうです。
「完全なコメディ映画ではなく、物語の途中で暗い展開に切り替わる」というアンダーソン氏の映画は、自分の経験と心理に基づく想像から生まれたアイデアが、いじったり取捨選択されることなく落とし込まれている、とのこと。「いい映画を作るには、たくさんのアイデアと素材が必要で、それが小さな絵となり小さな作品となっていくのです」とアンダーソン氏は語ります。 「グランド・ブダペスト・ホテル」ではスキーチェイスや、電車、巨大なホテルが登場しますが、アンダーソン氏が「グランド・ブダペスト・ホテル」の脚本を予算担当に渡したとき、予定よりも高い額が提示されたとのこと。「予算内では映画を作れない」という状況で、その不可能をどのように実現させるかが「とても楽しいこと」だとアンダーソン氏は語りました。アンダーソン氏が始めにインスピレーションを受けたのは日本の映画で、黒澤明監督と宮崎駿監督に刺激を与えられたそうです。歌川広重や葛飾北斎の絵にもインスピレーションを受けていて、映画や絵といった日本の作品を、海外の手法で映画にしようとしました。
「物語においてベストなアイデアが浮かんだら、それに従うだけです。私の人生の大部分はこういった映画を作ることに費やされ、映画を作ることこそが私が本当にすべき唯一のことなのです」とアンダーソン氏は語ります。氏と大学で出会い、父親から数千ドルを借りて、短編映画をウィルソン氏と一緒に作り始めました。二人とも映画が好きで、一緒に何かやってみたいと思っており、コーヒーショップに入り浸って映画製作に励む日々が続きました。これがアンダーソン氏が長編映画を作るきっかけとなりました。 最後に、インタビュアーの「ウェス・アンダーソンの映画とは何でしょう?人々からどう認識されていると思いますか?」という問いに対し、アンダーソン氏は「それについて考えると混乱するので、あくまで外部の認識であると思いとどめておくことが、自分にとってより良いことだと思っています。『前にも同じようなことをしていましたね』と言われないように、積極的に同じ手法を避けることで、私は何をしたいのかを自分に訴えかけていきたいです。私はただ、自分が好きなことをしたいだけなんです」と答えていました。
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