今江新監督は早速動いた。翌18日、楽天モバイルパークで行われている秋季練習で海外フリーエージェント権の行使を決断している守護神の松井裕樹投手(28)に「来年もやれたらいいね」などと残留要請。今季2年連続、3度目のセーブ王に輝いた絶対的守護神の流出は避けたかったはずだが、今季開幕からの投球ぶりはメジャースカウトの評価が高く、松井も米大リーグ挑戦の意向も強かったため、10月25日に正式にメジャー挑戦の意思を球団に伝えた。今江新体制は始動したばかりだが、いきなりの戦力低下は避けられそうもない。 ただ、球団OBからはこんな声も漏れ聞こえるのだ。 「メジャーの話がなくても松井は出て行っていたと思うよ。あそこは生え抜きが長くいる球団じゃないから」 そう語るのは’10年代に活躍した功労者の男性。ピークを過ぎると戦力外通告を受け、球団職員などのポストも用意されなかったという。...
年俸5億円の浅村や年俸2億円の鈴木大地(34)など他球団から買い、あおりを食ったが茂木栄五郎(29)や銀次(35)といった生え抜き戦士たち。茂木は今季8試合出場にとどまり、銀次も6試合に出たのみでシーズン後に戦力外通告を受けた。 先のOBは「楽天というと三木谷浩史オーナーの現場介入がとにかく言われるが、三木谷さんは近年はあまり野球に興味がない。それよりも幹部同士のポスト争いが激しい。外国人選手も含めて自分が連れてきた選手を現場にねじ込んで手柄にすることが常態化している」と現状を嘆く。 球団トップの交代もめまぐるしい。森井誠之球団社長(48)が就任したのは今年7月という異例の時期。’22年1月に就任した米田陽介前球団社長(39)はわずか1年半で事実上の更迭となっている。 石井前監督は’18年9月から編成トップとしてゼネラルマネジャー(GM)に就任し、’21年からGM兼監督として’23年まで兼任したが、今季は兼務を解かれて監督に専念。編成権を球団に戻した形だが、ここでも問題が生じている。他球団の編成担当はこう酷評する。...