【フェニックス（米アリゾナ州）30日（日本時間5月1日）＝四竈衛】大量の「ハチ」がスタジアムに襲来も、大谷の豪快な「8」号は見られなかった。 ドジャース 大谷翔平 投手（29）がダイヤモンドバックス戦に「2番DH」で出場し、5打数1安打で今季初の3三振を喫した。この日はハチが大量発生し、1時間55分遅れで試合開始。ド軍は延長10回、逆転サヨナラ負けと散々な1日になった。招かれざる珍客の襲来が、思わぬヒーローを生んだ。 ドジャース とダイヤモンドバックスの一戦。試合開始5分前の午後6時35分、ダ軍関係者がバックネット最上部でハチの大群を発見した。球場に「なるようになるさ」という意味のビートルズの名曲「レット・イット・ビー」が流れる中、球場関係者と審判団、両軍の監督らで対応を協議した結果、試合は中止にせず、専門家に駆除を依頼することになった。
同7時52分、「Beekeeper（ビーキーパー）」と呼ばれる男性がカートで登場すると、球場内は一気に盛り上がった。準備を終えたビーキーパーは、日本でドラマの主題歌の原曲として有名な「ホールディング・アウト・フォー・ア・ヒーロー」（ボニー・タイラー）が流れる中、ゴンドラでバックネット最上部へ接近。スプレーを掛けた後、大量のハチをわずか4分間で全て吸引してグラウンドへ下降した。大喝采を浴びた男性が、ノリノリのガッツポーズで声援に応えるなど、さながら「ショー」のような盛り上がりだった。 試合開始は同8時35分。ハチを駆除して一躍ヒーローとなった「ブルースカイ・ペストコントロール」社のマット・ヒルトン氏が、防護服姿のまま、始球式に登場。防護用のフードを脱ぐと、観客からスタンディングオベーションでねぎらいの拍手を受けた。球団から連絡を受けた際は、息子の「Tボール（置きティーでプレーする子供用の野球）」の試合中だったが、急きょ球場へ直行という。「これは仕事だし、驚きはなかった。今の季節にはあること。手助けができてハッピーだし、歓声を受けて楽しかったよ」と笑顔で話していた。
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