送り、吉川の同点犠飛につなげた。1点にこだわるタクトで今季4度目のドローに持ち込んだ。
716日ぶりの東京Dで躍動した。支配下復帰から即「2番・右翼」でスタメン出場した立岡が2犠打、1四球で、阿部監督が掲げる“つなぎの野球”を体現した。「めっちゃ緊張しました。スタメン発表でファンの方の声援が聞こえて、うれしかったです」と充実の表情を浮かべた。 1点を追う7回無死二塁、清水の149キロ直球をしっかり勢いを殺し、投手の前へ送りバント。三塁へ走者を進め、直後の吉川の同点犠飛につなげた。3回にも一塁への犠打、5回に四球を選び、いきなり延長12回フル出場。「出されたサインはちゃんと遂行できた。最低限って感じです」。22年6月5日のロッテ戦以来、約2年ぶりの本拠で2番打者の役割を果たした。22年6月9日の西武戦(ベルーナD)で守備の際に味方と交錯し、左膝前十字じん帯を損傷。同30日に同箇所の再建手術を受けた。立岡が離脱時に2位だったチームは最終的に4位。亀井外野守備兼走塁コーチには「お前が離脱してからチームが失速したんや」と声をかけられた。「『そんなことないでしょ』と思いつつ、うれしかったです。『もっと必要とされる選手になりたいな』って気持ちが芽生えた言葉でした」と奮い立った。
同年オフに育成契約となり、昨年7月の3軍戦で実戦復帰。「たくさんの人が経験できることではないと思うようになって、前向きにリハビリに取り組めました。より一層、1軍でプレーしたい思いが強くなったし、その気持ちを今日までずっと持ち続けてきました」。胸に秘めてきた思いを本拠地で思い切り表現した。 17日のイースタン・西武戦(カーミニーク)では2点を追う9回無死一、二塁に見逃し三振。松原との帰り道で「俺たちみたいなベテランがああいうところでしっかり決めなきゃダメだよな」と再確認した。50メートル5秒9の俊足に守備力も兼ね備える実直な34歳に、阿部監督も「良い仕事をしてくれたし。これぐらいはできる選手だと思っていたので」と信頼を口にした。「またここから全盛期だと思って頑張ります」。頼もしい男が最前線に帰ってきた。(内田 拓希)
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