今後何らかの動きがある可能性があるのでここからはあくまで筆者独自の見解となりますが、現在の市場環境と他社サービスを取り巻く状況を見るに、foodpandaの売却先探しはかなり難しいようにも感じています。
先行する「出前館」と「Uber Eats」、そしてKDDIという後ろ盾が付いた「menu」は、既に全国に配達網を構築しているので買収メリットが薄いですし、「楽天ぐるなびデリバリー」はギグワーカーを活用しておらず他のサービスと一線を画しています。残るは外資系の「DiDi Food」と「DoorDash」くらいですが、DiDi Foodの親となる滴滴出行はここ最近、中国でのIT企業に対する規制でかなりの混乱が生じており、日本市場の拡大に力を注げるか分からない状況にあります。 そしてDoorDashは、ここ最近もう1つの業界再編につながる動きを起こしています。それは本社の米ドアダッシュが、「Wolt」を運営するフィンランドのウォルトエンタープライズの買収を2021年11月に発表したことです。この買収による国内での具体的な取り組みはまだ発表されていませんが、仮にDoorDashとWoltが単純にサービス統合した場合、最後発でまだ4道県でしかサービス展開していないというDoorDashのエリアカバーの問題が大幅に解消されることとなります。日本では当面、両社の統合に向けた準備に力を入れる必要があることも考えると、foodpandaを積極的に買収する理由には乏しいでしょう。
一方のダークストア事業に関しても、pandamartは最近拡大を図り始めたばかりで規模がまだ大きくないのに加え、日本で同様の事業を展開しているのも現状、Woltとベンチャーの「OniGO」くらい。日本ではコンビニエンスストアが全国に多数存在し、いくつかのデリバリーサービスがそれらの活用に動いている現状を考えると、やはり買い手が見つけにくい印象を受けてしまいます。 それだけに、foodpandaの買い手が付かず終了してしまうのも、ある意味やむなしといえるかもしれません。加えてWoltとDoorDashが統合すれば、国内では一気に2つものフードデリバリーサービスが減ることとなりますが、それでもまだ事業者が過多だと感じてしまう状況にあるだけに、まだまだ再編は起きる可能性があるというのが筆者の見方です。
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